「ほのぼのとハッピーエンド」を含む小説

「お断りします」 「なぜ……だ？」 私のきっぱりとした物言いに、シリウスが瞠目する。 シリウスの声は掠れていた。自分が断られるなんて思わなかったんだろうな。 私は今、王太子殿下の…

「エリス、君との婚約を破棄する！」 「なっ」 晴れやかな卒業パーティーに響き渡る、王太子オスカーによる突然の婚約破棄宣言。手を取り踊る者たちが足を止め、談笑する者たちがグラスを片…

ティアは神殿で働く身寄りのない下働きの少女。神殿では聖女様からいびられ、他の人たちからも冷遇される日々。 ある日、濡れ衣を着せられ、体よく神殿から追い出されてしまいます。行く当て…

ふとパスワードを忘れてしまった。俺がそこで頼ったのは、江戸っ子AIの「シャリ吉」。文句ばかりの彼女と、VR世界でネオ大江戸を散策するうちに、俺の気持ちはだんだんシャリ吉への思いで…

ツンデレ女子とポンコツ男子が同棲を始める４月から結婚を決める翌年３月までの１年間の物語です。 デコボコなふたりがただイチャイチャしている様子を半月に１話ずつ公開予定。 月ごとに季…

（ごめんなさぁぁぁぁい！） 辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。 結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりに…

　家族との仲が微妙な伯爵令嬢のレティシアは現実から逃げるために、足しげく歌劇場に通っていた。 　そこで侯爵であるジェロームに「契約結婚」を持ち掛けられる。 　意図はわからないが「…

　勇者たちはラストダンジョンにて魔王が待つ部屋の直前、魔王の右腕に苦戦をする。 　そんな状況で一人の男が声を上げた。 「ここは俺に任せろ」 　聖騎士ダン・バーン、彼は死を覚悟した…

公爵家の執事長シリル（２５歳）は、ワガママな令嬢エリスに尽くしてきた。 「私の奴隷」と罵られ、理不尽な命令に従い、屋敷の経営から戦闘まで全てを一人でこなす日々。 だがある日、エリ…

17歳で「偽りの聖女」として断頭台に散ったシトラス。 目を覚ましたら――まだ七歳、処刑の十年前に巻き戻っていた。 前世では、宰相にこき使われ、戦場を十年渡り歩き、最後は王家…

　妖精はいない、とされる国で妖精が見える伯爵令嬢のセリーヌは迫害されていた。 　だが、十五歳の誕生日を迎えたセリーヌは「ねがいをかなえてあげる」と告げた妖精によって魔法学院の生徒…

　ある日、帰宅中の猫村蒼大（ねこむら　そうた）は迷子の黒猫を拾う。実はその黒猫の飼い主は、同級生の花野井紬（はなのい　つむぎ）だった。 　彼女は小柄な美少女で、クラスの男子を総じ…

成人の儀式の日、神様からのギフトを神父さまより伝えられたレン。 しかしそれは〝スライムテイマー〟というギフトだった。 村人はレンを軽蔑視し、居づらくなったレンは村を飛び出した。 …

元・癒しの神のリヴェリアは、神として不必要な‘感情’を持って生まれてしまった。神界の異物として、最終的には、親同然の神界の最高位・デアに直接の神界追放を告げられる。 突然堕とされ…

　アニエスの妹キャロリンは、姉のものを何でも欲しがる癖があった。 　ドレスもネックレスも髪飾りも、教科書もノートも羽ペンもカラフルなインクも。 　全部全部欲しがる妹に、けれどア…

　結婚初夜に「お前を愛することはない」と旦那となったジルベルトに告げられたステファニアは「では、愛されるように頑張ります！」と前向きな返答をした。 　それから毎日「私を愛したくな…

「ごめんね下井（しもい）君、待った？」 「い、いや、俺も今来たとこだよ」 　文化祭当日。 　ドキドキしながら自分の教室の前で竜田（たつた）さんを待っていると、メイド服に身を包ん…

噂によると、俺がずっと片想いしている律子は、先生である須藤のことが好きらしい。 だが俺は須藤なんかに律子を渡すつもりはない。 俺は絶対に須藤には負けねえ。

僕はゴリラのウホ夫。 最近の悩みは、隣の巣に住んでいるメスゴリラのウホ美さんが、僕の留守中に僕の巣に勝手に入ってくつろいでいることだ。 今日も巣に帰ると、案の定ウホ美さんは悪びれ…

　落ちぶれた伯爵家の娘、カトリーヌはふとした瞬間に前世を思い出した。 　前世で起業家の女社長だったカトリーヌはやせ細った領地に「改革が必要よ！」と立ちあがる。 　憎めないけれど領…