「切ない……か？ 短編」を含む小説

貴女様の時間は、この手から簡単にこぼれ落ちてしまうほどに短い。 永遠の時間を生きる私は、貴女様に全てを捧げたいのです。 どうか、この私にご命令を。この私と魂の繋がりを。 世界の…

太陽が沈む、夕暮れ。 それは、人の夕暮れ。 日が暮れてしまう君。 暮れて欲しくなかった君。 だからってどうにも現実は変えることができない。 私は好き、だったよ？

佐野裕介《さの ゆうすけ》は檻の住人だった。 裕介の母親は、裕介が檻に入った3年前から一度も彼の元を訪れていない。 その事実に裕介は、 もう、自分は見捨てられたのだ＿＿ そう思っ…

冥界のような艦底から脱出するため、メナンドロスがとった方法とは……？　SF短編。 ※長編『人形たちの霊魂戦争——プシコマキア』の姉妹編となっています。興味のある方は是非そちらも…

この国で十番目の数字を持つ《実験体》のアビ。彼女はその身に抱える不幸の象徴を、太陽の炎で焼くという《太陽の御子》に選ばれる。 そのことを知った十一番目の数字を持つノエルは──。 …

わたしはねこで、なまえはまだない。

ぼくとゆうちゃんは幼馴染みで、小さいときから両思いだった。そんなゆうちゃんは、やっぱりαだった。βのぼくがそばいいていい相手じゃない。だからぼくは逃げることにしたんだ――ゆうちゃ…

「その辺りじゃ、今も紅葉を『サイノカミ』の衣替えっていうんだってさ」 艶やかな紅葉の下、妖怪猫の言葉に、ふと、思い出す。 ――遠い昔、傍にあった彼の人の姿を。 孤独な烏は、ある…

完全監視下の美術館で、謎の「天使の羽コレクション」が一枚ずつ消えていく。 防犯カメラは作動し、警報も鳴らない。ただ、黒いコートの人影だけが映し出される。

土曜日、パパとママ、お兄ちゃんと私（梨花）の夕食時間。 仲良しで幸せな家族。 でも私とお兄ちゃんには秘密がある。 パパとママが夜のデートに出かけたら……二人の時間が始まるの…

作家を志す青年は、ある日、自分の目が見えなくなっていくことに気付いた。 葛藤を抱えながらも、彼は最愛のマーガレットに代筆を頼み、小説を書くことに。 しかし、出版された本は著名な作…

ある夏の小さな出来事。 僕はただ弟を喜ばせたかったんだ……それだけだった。 ある川辺で起こる、兄弟のショートショート。 ささやかなトリックがあります。

私、三好梢《みよしこずえ》。自堕落に生きている高校生。けど、私のこの日常は高校一年の時、ある男子との出会いから変わり始める。 そして、この男子が言ってくれた言葉が私を……気づか…

被写体として選んだのは、閉鎖された鳥類園だった。一枚の白い羽を撮影した直後、施設の元職員・中島恵子が死体で発見される。

【とある少女の平凡な日常】というブログを書く少女と、そのブログを読む少年の物語。

冬の夕暮れ、運動部と文化部という異なる世界に生きる二人の女子高生、美咲と凛。 校舎の窓越しに視線を交わすことで始まった二人の関係は、やがて心の奥に秘めた感情へと変わっていく。 体…

とある小さな村、水龍村には、水龍湖と呼ばれる大きな湖があった。そこには龍神様が住まわれていると、村人たちは子どもの頃から教えられてきた。 その村に住む少女さくもまた、例外なく龍神…

これは、失われゆく命との別れ、受け継がれる想い、そして新たな絆の始まりを描いた物語。 祖父が大切にしていた幸せの形が、思いがけない形でコミュニティ全体に広がっていく、心温まる奇跡…

前田栞里、二十六歳。 初めて付き合った彼氏と別れてきた夜、公園で缶ビールを飲む。 そこへ駆けつけてくれたのは、高校からの男友達である奏多だった。 心が弱っている時は、こうして奏…

事故が起こることを予知できるだなんて、そんな能力信じられる？ いつかあなたに追いつくために、二度と会えないかもしれないあなたと交わした、たった一つの約束 もう一度あなたに会う…