「短編/純文学」を含む小説

君を失ったとき、僕の世界は音を失った。 この物語は、君がいなくなった現実を少しずつ飲み込んでいく、三日間の記録。 繰り返す朝と夜、そのたびに胸を締めつける欠落感。 それでも、三…

芸術家がインタビューをされて始まる独白文。

大丈夫だって、もう会えないってわけじゃないんだからさ。 別に、不安になってるわけじゃない。

　思い付きで書いて、後味の悪さに後悔してます。

　僕は、ただ、ぼんやりと雨の中を歩いていた。そこに今にも倒れそうなほど衰弱している一匹の子犬と出会った。 「こんな所で歩いていたら、車に轢かれるぞ」 　その瞬間、僕は昔の…

ポエムになります。暗かったり明るかったり怒ったり、色んな感情を言葉にしてみる取り組みです。宜しければフォローやいいねを頂けると嬉しいです。

この物語は、名も形も持たない蝉として始まった。 ただ、体の奥に残る熱だけが確かだった。 飛ぶことでも、耐えることでもなく、 沈黙が訪れる前に歌うこと。 たとえ一夏だけでも、 強…

高校卒業を控えた3月。 暇を持て余している主人公、瑛人(えいと)の前に現れたのはもうしばらく会っていない幼馴染、小春だった。 その日は村をあげて行われるお祭りの日。小春はダラ…

満月のない十五夜の夜。突然、どうしようも無い現状から逃げ出したくなった。ぽつりぽつりと行く宛てもなく歩いていると、爛々と輝く和服美人がコンクリートの上に座っていた。 その彼女は、…

『私』は夏が嫌いである。 しかし、私はその夏にある所へ出かけなくてはならなかった。 その懐かしく、見慣れた家の台所で『かき氷機』を見つける。 それは私の沢山の『思い出』がつまった…

日本一の漫才師になったら実家に帰り、勝手にお笑い芸人になったことを謝りたい。くすぶっている芸人の舞子は、そんな夢を追いながら漫才をしているのだと、後輩の千鶴に言った。舞子と千鶴は…

窓際のソファに座る、柄だらけの服をまとう女性──「パッチさん」。 本名は鳩峰撫子。旧家の令嬢ながら、誰とも似ていない装いでラウンジに現れる。\n\n彼女がぽつりと呟いた。「……あ…

とある老人の葬儀で、私（＝スライムテイマー兼作家）は中年男に話しかけられます。 それがきっかけとなって、深く沈められた過去の記憶が静かに蘇り始めます。 ギア・コレクターの老人、…

男はただひたすらに、クルマを磨く。失ったものはもう二度と戻らないということを、知りながら。

純文学で重要とされる「構造」の意識的な扱いを、自分なりに掘り下げてみた短編です。

祖母の葬儀を終えた日陽人《ひびと》は、とある疑念を抱いたまま帰途につく。 雨に降られて飛び込んだコインランドリーで出会ったのは不思議な少年だった。 その正体を知ったとき、彼の運命…

【第9回　古賀コン（私立古賀裕人文学祭）応募作品】 テーマ：ママにならないで 60分をみっちり使い切って書きました。

東京に、黒い雨が降り続ける。ビル群は溶け、叫び声と爆発音が遠くで響くなか、主人公はベランダで、首を吊った恋人と静かに最後の時を過ごす。 青白い肌の恋人の口に煙草を咥えさせ、燃え…

1話　鯨と私 2話　サソリと現実