「灰色の空」を含む小説

見上げれば灰色の空。 いや、空なんて呼べるものじゃないか。 ここは巨大な駅。 または境界。 俺たちは駅員。 または死神。 俺は呪われている。 名前は捨てた。

コチは小さな蛾。 あだ名は『木枯らし』 枯葉色した小さな羽で飛んでる姿を見て誰かがそう叫んだ。 今は春。厳しい冬が終わり、ようやく訪れた春。そのあだ名は、春色の世界で悲鳴を産んだ…

高度な文明をもつ天体クレイヤは、ある日偶然にも青い惑星を観測した。 その惑星の名は『地球』。 地球との交流を目論んだクレイヤは、地球調査隊員の候補生を募った。 灰色が空を覆う世…

シングルマザーの佑香は娘の一言で内縁の夫の奇行に気付く。娘を守るため、懸命に生きてきた日常を破滅に向かわせる存在に思い悩む佑香の前に突如現れた謎の少女。思い描いていた家族の在り方…

この作品は、いつも書いているような、恋愛小説ではありません。 何処からどこまで朱羽子が逃げるのか、そして何処から朱羽子が闘いだすだろう？ こんな時代だから、この小説を書きました。

KAC2022応募作品 書く時間が全然なかったので、自分の記憶を掘り起こして少し（だいぶ）装飾して作ってみました。 こういう一期一会って案外誰にでもあるもんだったりするんじゃない…

灰色の空、灰色の世界。それが自分の世界だったはずなのに。 その世界は間違いだったと教えてもらったのは、いつの話だったか。 彼に出会ったことで自分の世界は広がり、彼に出会ったこと…

未知の存在によって滅亡と繁栄を繰り返した人類は次なる滅亡に対抗するべく前時代の記録を探し求める。 だがその記録は共有どころか奪い合いに発展し、人類は手を取り合うことはしなかった。…

　羽月一(29)は中小企業に勤め、日々の違いといえば曜日と食事程度。 　ある日、彼は鳩麦公子という少女と出会う。 　彼女との出会いを起点に少しずつ彼の日常が変化していく。 　人…

　エルフのカンターティオは一ヶ月前、祖母を亡くした。悲しみが退屈と混じってやるせなさを感じていた彼は、一人で外出する。 　退屈のあまり何気なく入った路地裏にいたのは、下等生物でカ…

翼のある少年とスチームパンク 灰色の髪の少年が、灰色の空を飛ぶ。 手には狙撃銃。 地を走る蒸気式のロボット犬。 邪悪な異世界の生命体（邪神）を狩る。

いずれこの雪がやむころにはわたしのこの空腹もいずれ大げさな記憶になっているはずだ。もはや避けることがでいないなら、そうなってくれることを願うことしかできない。わたしは背筋を伸ばし…

日本海の荒波は波の花を舞いながら、灰色の空の下で哭いていた。汽車の窓から覗く疎らな家並みに心細くなりながらも、澄はその荒涼の地に降り立った。

羽田空港国際線ターミナル。一平は展望デッキでジャンボジェットの白い機体が灰色の空に消えていくのを見ていた。 「僕……タカさんの死んだ恋人に似ていますか？」 一平は、帰国したカメラ…

■□■□■□ ■□■□■□ アストリア大陸の中でも少数精鋭で知られる傭兵団『紅の雫』に所属するノイエ・ランページュは、専ら戦術指揮や部隊運用を行う頭脳労働担当（非常時には棍術士…

地方選挙の実情を描いた小説です。人や町、そして政治を変えるには、どうしたらいいんだろう。 まずは、自分が変わることかもしれない。ちょっとした行動から、きっと未来は動き出していくは…

君に手紙を書く日が来るなんて、思わなかったよ。 それも手書きだ。なんて原始的なんだろう。 灰色の空に覆われた国は、戦時下にあった。 ひとりの男は、ひとりの女に手紙を書く。 言…

真都衣は裕福な六玄木家の三姉妹の次女。 平穏な生活を送っていたのだが、ある日突然、住んでいる屋敷ごと何処かべつの場所に飛ばされてしまう。 そこはのっぺりとした灰色の空と、赤茶けた…

6作目にして2つ目のショートショートです。

３ 「う……ん…………あ……れ、此処……は？」 　仰向けで倒れていた私の視界を支配していたのは辺り一面の霧だった。 　ゆっくりと身体を起こしてみるも、まだはっきりとしない頭と、…