「『忘れられないの』」を含む小説

名を持つことは、力であり、責任でもある。 風を読む力を持つ奏（そう）は、閉ざされた村を出て、 精霊と人の間に交わされた“忘れられた契約”の真相を追う。 名前を与え、絆を結ぶ魔法…

夏が来るたび、少年は少女を迎えに来る。 幼い頃、ひよりは田舎で出会った少年と、大切な約束を交わした。 けれど、月日とともにその記憶は遠のき、今は思い出せない。 西の空がオレン…

「すさんじ」は、素朴にして濃厚な味わいが特徴です。 ※初出：三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第252回「思い出の味」参加作品 ※本作品はフィクションです

忘れられない　貴方 　　　　　　　想い 　　　　　　　思い出 どこに 行ったら 見つかるのだろう いつかは　、忘れるの だろうか 風が 吹けば ふと　、　思い出せ…

　群雄割拠の戦国は遠く過ぎ、時は今や泰平の世。 　生まれついての白い髪と白い肌を気味悪がられ、体面を気にする血縁からは虐げられ、隔離されて生きてきた〝雪（ゆき）〟。 　唯一の味…

この世界には、”視える”人間とそうでない人間がいる。 　　　　　　　　　　　　　　　　 深い森に抱かれた奥地の高校には、死者の残滓と“何か”が溶けあった怪奇が潜んでいた。 怪奇…

この物語は、 舞台の光を浴びていた少女が、 演じることも愛されることも失ったその先で、 終わらない時間と出会う話だ。 それは安らぎにも、侵食にもなり、 やがて境界をすべて溶かし…

七月、夏休み目前の教室に現れた転校生――風見瑠璃。 「夏の間だけ通う」という不思議な少女は、夜になると温泉旅館の舞台に立つ旅芸人だった。 偶然にも親戚の旅館で再会した僕・圭人は…

夢は、誰かの記憶か、それとも—— 星が落ちる夜、少女は扉を越えた。 そこは、名もなき想いが彷徨う場所。 忘れられた願いが、音もなく息をする。 これは、ひとつの灯が灯る物語。

高校二年生のタカヤは、同級生ミナミの誘いで旧校舎の三階にある“午前0時の図書室”を訪れる。そこには、自分の名前が刻まれた数百冊の本が並び、忘れていた過去の記憶や三年前に消えた生徒…

人と妖（あやかし）が共に暮らす、文明開化の影に妖しが息づく帝都、椿京。 貧しい書生の娘・時雨 鈴凪（しぐれ すずな）は、ある日突然、九つの尾を持つ妖にして政財界の実力者・朝霞 理…

人里離れた山奥に、奇妙なレストランがあった。 料理は地元の珍しい食材ばかり。 訪れた客は、店内の不思議な雰囲気に圧倒される。 大きな体の給仕と店主は、全身を覆った服を着ていて、素…

【あなたの彼女になってもいいですか？】 桜が満開の季節、僕は思い出の場所で初恋の彼女からいきなり告白された。 普通なら飛び上がるほど嬉しいはずなのに正反対に気持ちはざわついてしま…

彼にはすでに好きな子がいる――。 それを知りながら、オレンジ色の髪の少女は告白する。 「振られるのは分かってたよ。だから平気。 ダイジョブ、ダイジョブ……」 そう笑う彼女は…

声を失った青年と、かつてその声に恋をしたはずなのに、心をなくしてしまった女性。 ──あの日、ふたりは東京駅で出会い、確かに想いを重ねた。 けれど、時は流れ、言葉は擦れ違い、記憶…

幼馴染に裏切られた、伊藤渚。渚が歩む道は吉と出るか、凶と出るか。その道には、たくさんの障害が。なんでもできちゃう転校生に、まさかのもうひとりの幼馴染！？　その転校生は、どうやら、…

若き皇子アシュパル。彼には、忘れられた古の叡智――万物を生かし、大地をも蘇らせる奇跡の力「大いなる息吹」を感じ、操る秘められた才能があった。 そして神話では神の子孫とされている皇…

ハーフ＆ハーフシリーズの最終回に参加させていただきます。テーマは『ターニングポイント』。 主催者さまが出す『〜お題〜』と、参加者が書くその『続き』で紡がれる物語です。 他の参加者…

　明るくて大人っぽい高校生の少女そらはいなくなってしまった妹の物静かで美しい少女はれを探して、古い廃墟のような白いお城にやってきた。 　長編小説　第十九作目