「日常とは？ 短編」を含む小説

「……時間を食ってるのか？」 机の端に、指先ほどの半透明の生き物がいた。 目も口もわからない。 ただ震えるたびに、秒針がひとつ戻る。

　 夕日ゆうやさんの企画【三題噺：「H」「荷電粒子」「ドアマット」】を参加しました。 本作品は、自身の創作小説『次は、桜』から、第9話〈マーズ〉と第18話〈エミリア〉のエピソー…

毎日のように来店するお客さんはいつも辛そうにパソコンと向き合っている。ホットサンドを食べる束の間の休息時にはうっすらと笑みを浮かべるが食べ終わると、とても辛そうにまたパソコンと向…

「俺」がイライラしたり、しなかったりする話。

「くっ、殺せ！」 　女騎士レイナは、男騎士バルツに勝負で負けた。『負けた方は勝った方のいうことをなんでも聞く』、そういう約束で。 　バルツが最初にレイナに言ったこと、それは、…

喫煙所で知り合った銀髪美人さん、どうやら異世界の悪役令嬢らしい。そんな、日常とファンタジーの交錯する、ほっこりしてキュンとする会話劇です。

文章修練のために始めました。 日々の生活で目にした光景を文章で描写しています。 不定期更新です。

ある職種をモチーフに、書いた一行怪談になります。

迷子を助けた。 ただそれだけの出来事なのに、 俺は人を疑い、自分を疑い、 最後は音楽で勝手に納得していた。 とてもどうでもよくて、少しだけ大事な話。

仲間と作る合同誌の締切が迫る中、兄からかかってきた一本の電話。それは平凡な日常が全て書き変わってしまう合図だった。燃える街。異形の侵略者。兄の言うとおり一つのアプリをイン…

推しが結婚した。 祝いたい気持ちと、胸の奥がズキッと痛む気持ちが同時に押し寄せ、私は三日間ベッドから動けなかった。 推し活の熱も消え、仕事も手につかないまま、ふとデビュー当時の…

私はたまに、水色の光を見る。その光が現れるところは世界の隙間であり、そこにあるのは昨日見た夢の続きだったり、遠い惑星の呼吸だったり、あるいは誰かが置き忘れた未来の記憶の断片だった…

〜あらすじ〜 九里ヶ丘駅で起きた人身事故を境に、 彼女の日常は、何かの影を伴って、 静かに軋み始めていく。 SNSの履歴はひっそりと姿を消し、 写真には薄い靄がかかり、 街には…

淀川の堤防に据えられた石段。 そこを通り過ぎる夫婦、イケイケなおばあちゃん、野良猫ハチワレ、そして警備員。 一日の光と風の中で交わされる言葉や仕草を、石段は静かに見守っています。…

アレス王国軍の第25歩兵連隊の小隊長を務める、アルバート・レーゼンブルク少尉。彼ととその仲間たちは、愛用ボルトアクションのべテロと共に、魔族連合軍との激戦区で抵抗していた。

　ブラック企業に務める男は、帰り道に【香り屋】と呼ばれる謎の店に出会う。 　その店はその人の大切な香りを届けてくれるという、SNSで噂になっている謎の多い店。 　誰でも利用出来る…

九鬼は学生時代に味覚と嗅覚を失い、料理人の道を諦めた。 今は、部屋と学校を往復するだけのアラサーの高校教師。 そんな九鬼の隣室に、人懐っこい青年・時田が越してくる。 ふとしたきっ…

とても簡単で、ほんの少しの一手間。 それを惜しまぬ環境作りと、自由な時間を確保すること。 たったこれだけで家のご飯だってご馳走に変わり、共に過ごしていく人との距離も縮まるというも…

大阪を拠点に活動する二人組のユーチューバー、主人公とサヤ。幼なじみのまま腐れ縁で友達関係を続け、いつの間にかユーチューバーとして活動することになっていた二人は、ある日、「１００万…

いつもの道、夕焼けの土手道。 今までのこと、これからのこと、君のこと。 そんなことを考えながら、今日も歩いているこの夕焼け空の帰り道。