「実は私は…… 短編」を含む小説

住民たちは周囲で私を見つめている。 誰も口を動かさない。 祝いの言葉はない。 この町では、自分の声を出すことは法律で禁じられている。

私は毎夜、同じ夢を見る。 夕暮れの浜辺を歩き、振り返らない彼女の背を追い続ける夢だ。 現実に色はなく、私は彼女のいない世界に意味を見いだせない。 それでも夢の中だけでは、昔のよ…

幼い頃、幼馴染と結婚の約束をした私・雛野美幸。でも、彼が恋したのは別の人だった。 最後は未練なく――

短編っていいですよね。サクッと読めて。 私星新一とか大好きなんです。 なので私も長い小説の箸休めに、短編を書いてみることにしました。 思いつけばその日のうちにいっぱい出るし、思い…

前後する構造。入り乱れる情報。それだけで頭がパンクしそうになる。 これが私の上司の指示の出し方だった。 そして私はこの指示の出し方が好きではなかった。 私、人に聞く時はメモとる…

突如、謎の存在に死んでしまったことを告げられた少女。 彼女は生前プレイしていたネトゲによく似た世界に、ネトゲの自キャラとして転生することとなる。 しかしその力はあまりにも強大す…

12歳のみゆきは、給食1食だけの地獄の日々。母の影はなく、冷蔵庫は空っぽ。雪の日に公園の滑り台の下で、凍え死のうとした彼女を救ったのは、謎のあねねちゃん。90日で脳の傷が少しずつ…

「いらない」 ある日、突然捨てられたクマのぬいぐるみ。でも、捨てられても一人じゃない。私とあの子は繋がっているもの・・ ※高校時代、部誌に掲載した作品です。

母のプロポーズの思い出、ハッピーエンドの人魚姫の物語 「お母さんプロポーズってどんな風だったの？」 コーヒーを1杯飲み干すと、娘がそう尋ねてきた。 「どうしたの急に？」 ……私…

佐々木キャロット様の自主企画、三題噺「歯ブラシ」「病気」「宇宙人」への参加作品。 ホラ話的、短編SFです。気楽に書いたのですが、思わぬ小品となったかも（或いは何かに触れることが出…

　高校生の梢明日香は片思いの恋に失恋をした。そのとき、ずっと明日香のことが好きだと同い年の高校生、日野梓に告白をされる。 　明日香は、……。　飛鳥　あすか 　恋愛短編チェーンス…

死後、梢はBetter Heavenで働く。 給餌のように幸福が配られる天国で、彼女だけは底なしの闇を抱えていた。 厨房には、両親の死を招いた事故の加害者・楼がいる。 赦しは不要…

初投稿 鈴の音が聞こえた... あの子はいつも楽しい思い出をくれた

二年ぶりに高校へ戻ってきた小早川涼。 留年して“二度目の二年生”になった彼は、 誰もいないはずの教室で、金髪の少女と出会う。 彼女──北条飛鳥もまた、訳あって二度目の二年生だっ…

高校3年生の主人公、望海は幼馴染みの海斗に密かに好意を持っていた。 でも今の関係は崩したくない。 恋か友情か悩んだ望海はある提案をすることに… ある小さな甘い事件から始まる、…

昔書いた文章群が発掘されたのでアップロードいたします。

一人、停留所に腰掛けた私の前に現れたのは一匹の猫だった。 その猫はどことなくあの子かもしれないと、そう思ったのだ。

自己肯定感が低い私にとって、事実だけが縁である。 周りから何を言われても、イマイチ信じられない。 だからそれだけが唯一、私が信じられるものだった。 私の好きな絵師様、やっぱりう…

これは高校時代の話。平凡な私と高嶺の花の彼女、二度と実現することのない儚い思い出。

「トリックオアトリート！」 ふと扉の外から子供の声が聞こえた。 もう随分遅い時間だ。 扉を開けると小さな銀色の髪の子供がいた。 …おやおや随分と懐かしい顔だ。 久々に会ったその子…