一方通行
ユり愛
恋の行方 ◇美幸◇
「みーちゃん!おおきくなったら、ぼくとけっこんしよ!」
「うん!!ぜったいだよ」
「「ゆーびきりげんまん――」」
私――
悠太とは家が近く、小、中と同じ学校に行って、同じ時間を過ごした。
中学校では「お前ら付き合ってんだろ!」とからかわれることもあった。
高校も同じ学校に進学した。
今年こそは
「もーーー!!」
ベッドに倒れ込む。
自分なりにアピールしているつもりだが、
そこにスマホの通知が鳴った。見ると悠太からメッセージが来ていた。ワクワクしながらメッセージを開く。
『好きな人ができたから、相談のってくんない?』
「え…?」
見なければよかったと心底、後悔した。
私に相談している時点で、私ではないことなんてすぐに察しがつく。
約束、忘れちゃったのかな?…そりゃそうだよね
自分の気持ちに蓋をしてひとつ、メッセージを返す。
『いいよ!』
するとすぐに返信がきた。
『ありがとう!!』
そう、必死に言い聞かせる。私の恋は伝えることなく、呆気なく終わってしまった。
「あ!ねぇ
「……」
「
肩を揺らされて自分が呼ばれていることに気づいた。
私を呼んだのは、中学からの親友の
「え?あぁ、何?」
「だから、ここ行こうって」
「うん、いいよ。」
「…ねぇ、どうした?なんかボーッとしてるけど」
「いや、少し考え事してただけ」
「そう?」
「…ねぇ。もし小さい頃、結婚の約束してたらどうする?」
「え、急だね。う~ん私なら、忘れてるか本気にしないかな。」
「何、約束した相手でもいるの?」
「まさか~そういう物語があってさ!てか次移動じゃん。行こ」
「おけ~」
誤魔化すように話題を逸らして次の教室へと向かう。途中、廊下で悠太とすれ違った。
「あ、
「うん。
「自習になった」
「サボらないでね」
「頑張る!」
「じゃあまたね!」
「おう、またな!」
一ヶ月後の夜、
『無事付き合えた!ありがとう!』
あの日、諦めることが出来なかったらきっと泣き崩れていたであろうメッセージも今は良かったと思えた。
頬が濡れてるのは………きっと嬉しいからだ。
悠太に彼女が出来て数週間が経った。私達の間ではすれ違っても話さないということが暗黙の了解となっていた。
…いや、最初は
クラスが同じになることはなく、話す頻度が徐々に減り、気付けば話さない日の方が多くなった。
そして時が過ぎ卒業式の日を迎えた。
堅苦しい式が終わり、みんなで記念写真を撮っていた。
「
「はい、チーズ!」
たくさんの記念写真を撮って解散が近くなった頃、人目のつかない体育倉庫裏に
「卒業おめでとう」
「ありがとう!
「ふふ、うん。ありがとね」
ずっと話してなかったけど、相変わらず元気な姿が凄く
「話って何?」
「…
「小さい頃にした約束?…なんだっけ?」
やっぱりと思った。
本当は、今までずっと未練が残っていた。だけど
「何?何か大事なことだった?」
焦ってそう言う
「ううん。全然。」
「そっか。驚かすなよ~」
「ごめんごめん」
「ゆう~?」
直後、
「あ、ごめん。もう行くわ」
「うん。あ、彼女と幸せになってね!」
予想していない言葉が飛んできたからか、少し驚いた表情をしたあと、満面の笑みで
「おう!またな!」
そう言って駆け足で
「バイバイ…
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