可児 才蔵
架橋 椋香
可児 才蔵(かに さいぞう)
ロックを聴け
ロックを聴くな
砂糖とパームオイルの味のキスをしませんか
しないよね
「なんかディッキンソニアみたい」
中卒 脳卒中
中卒 脳卒中
中卒 脳卒中
中卒、脳卒中。
「中二くらいのときにさ、マゾヒストって嫌なことされて嬉しいなら最強じゃね?って考えたことない?オレそれのガチ勢だから」
「勇気」
夢子ちゃんがそっと別れを告げるみたいに呟いた。
「勇気?」
私は聞き返した。教室には私と夢子ちゃんのふたりしかいなかった。つまり、夢子ちゃんは「ユウキさん」を呼んだ訳ではなさそうだった。
夢子ちゃんはこう続けた。
「そういう名前の、お皿がある」
「お皿」
「うん」
「それって、つまり
私は可笑しくなって笑った。
「そうかも」
夢子ちゃんは少しも笑わないで答えた。試験管にビュレットで0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を注ぐときみたいな響きだった。
私はもう笑わなかった。笑うべきではなかったことに気付いたから。目線で夢子ちゃんに続きを促す。
夢子ちゃんは目線に気付かないまま、窓辺に歩み寄ってカーテンの束を2,3回揺すった。
全裸で銭湯に入っていくときみたいな妙な恥ずかしさにいたたまれなくなって、私は言った。
「そんなお皿は存在しない」
「うん」
夢子ちゃんはあっさりと頷いて、言った。
「確かにそんなお皿は、存在しない。でも、そんなお皿を考慮に入れないと説明がつかない現象があって、」
「ハウリング、だよね。マイクとスピーカーが近づくと雑音が起きる現象」
「どうして、知っているの?」
夢子ちゃんはわざと必要以上に驚こうとしてるみたいに、目を見開いていた。私はまた笑った。
「なんとなく。昨日の校長先生の話のとき、すごくハウってたから」
「そう」
今度は夢子ちゃんも少し笑っていた。私はブラウスが軽くなるのを感じた。嬉しかったのだ。
大豆に太陽光だけ当て続けた様な人間に、なってしまったよーっ♪
「ねぇ、絶対ドタキャンするから心中の約束してくれない?」
「いいよ、じゃあ今度の金曜日、由比ヶ浜で一緒に死のう」
「あ、待って急にお腹痛くなってきた。ごめん、またこんどにしよ」
「このタイミングでドタキャンするのかよ」
可児 才蔵 架橋 椋香 @mukunokinokaori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます