「掌編短編」を含む小説

月末の夜、部屋に置かれた一枚の不在票。 ホームに響く轟音、交わらなかった視線。 日常の光景の中に、欠けたままの風景が静かに浮かび上がっていく。

短編って短いからこそ面白さに違いが出やすいですよね…… そこで、1000文字未満の短編・ショートを集めました! タイトルを見て気になったものだけでも、是非読んでみてください! 不…

女のクラスメイトが、暴漢に酷いことをされて死んだ。 名前も覚えていないような関係値の人間である。別段思うところはなかったが、悲しいふりをして、痛哭する演技をした。クラスの連中も…

疲れた会社員の俺は、ある夏の日に小さな『雲』を拾った。そして、それを野良の雲だから『ノラクモ』と名付けて飼うことにした。お題「雲」

寝ても寝ても眠い。 休みの日、前日まではあれもしたいこれもしたいと思っていたけど、目が覚めた途端にもうなにもしたくない。

私が前任の記者から引き継いだ「しましま塔」の記事の執筆。塔の写真は必ずブレており、目撃談は「近づくと縞模様が増える」という曖昧なものばかり。私は残されたメモを横目に、怪談らしく記…

私は女しか抱けない。

　それは、あらゆる死の境界で聴こえる、微かな旋律。 　『幽の譜』は、死を賛美する書ではない。 　終わりの瞬間を、静かに切り取り、ひとつの譜面のように連ねた断章集である。 　ただ…

新しい部屋に引っ越した夜、咲良はベランダで空を見ていた。 「月がきれいだよ」と彼に宛てたメッセージは送信しなかった。 なぜ宇宙をコスモスというのか、彼とそんな話をした日のことを咲…

来ないバスを待つふたりのお話

1話完結掌編シリーズ【衰微のソノリティ】 このシリーズはどの作品からでも読めます。

高校生の悠月（ゆづき）と日楓（にちか）。ふたりは幼馴染でクラスメイト。 描かれるのは青春の1ページ。12の時間の中で、ふたりの想いが揺れ動く。

社会人になり、パワーがなくなってきた。 義務。責任。体裁。あらゆるしがらみが俺から俺らしさを奪っていく。聞き分けがよくなり愛想笑いも板についた。いつだって柔和な態度でコミュニケ…

月が出ている。彼女と僕を照らし出す。

1話完結掌編シリーズ【衰微のソノリティ】 このシリーズはどの作品からでも読めます。

1話完結掌編シリーズ【衰微のソノリティ】 このシリーズはどの作品からでも読めます。

未来でも、同人活動は楽しいものだ。私の場合、エルフと宇宙人とゲームを作っている。

ロンドン郊外の静寂を破ったのは、著名な東洋学者、ヘンリー・ファーガスン教授の死だった。内側から固く閉ざされた書斎で発見された遺体、しかしワインに毒は入っていなかった……。完全な密…

「物」や「景色」に思い出が詰まっている人、少なくないと思います。 「風」はどうでしょうか。 目には見えない、形が無い「風」だからこそ 目には見えなくて形が無い特別な何かを届けてく…