映画フリークなのもあって毎週のように映画館に通っている。映画好きにも種類はあるが、私は大画面で映えるアクションや魅力的な登場人物を求めている。意外性のあるキャラクターに出会うと人生が豊かになった気がする。
かわいらしさのあるヒロインから人間を超越した技が放たれたら最高ではないだろうか。
というわけで、今回は可愛さと強さを兼ね備えた魅力的な女性主人公が活躍する4作品をご紹介する。
友達作りのためにダンジョン配信を始めた最強の新人「奈落ちゃん」や、パワフルな首狩り系アイドル、闇の魔法に目覚めたサボり魔の聖女、武神の力を得た迷子の女の子。性格や得意技の方向性は異なるが、女性主人公たちが爽快なアクションで活躍する。かわいらしい少女たちが人知を超えた技を披露する魅力を伝えられていれば幸いである。
可愛さも面白さも求められない探索者の配信者なら、引っ込み思案な自分でもきっと友達ができる。楢木野ラクナは友達を作るため人気配信者になろうと決意した。特訓場所の洞窟が最強最悪のダンジョンであることも知らずに。5年後、配信者として活動を始めたラクナは果たして人気者になり、友達をつくることができるのか――。
剣や刀のバトルは魅力的だし銃やガンカタだって好きだ。ビームを放つのだって好きだ。それでも、その身ひとつ拳ひとつでのラクナの活劇には大きな魅力がある。しかもかわいいならなおさらだ。
アンバランスなリュックサックを背負った少女が繰り出す最強の技にワクワクする。
リスクのある大技が得意技なのもいい。使い放題ではないがゆえにロマンにあふれている。
ラクナの爽快なアクションの楽しさと、友達作りに奔走するコミュ凶ヒロインっぷりのギャップが本作の魅力である。きっとあなたも楢木野ラクナ、「奈落ちゃん」を応援したくなる。
（可愛さと強さを兼ね備えた魅力的な女性主人公４選／文＝nullpovendman）
うさ耳がトレードマークの『卯佐美・ラビットソン』は、娯楽を供給する場所として進化したダンジョンで配信活動をしているアイドルである。ラビ、ウサ、ピョン、と語尾が迷子なのがかわいい。
とはいえ、かわいいだけではダンジョン配信者兼アイドルにはなれない。破壊不能なはずの壁を傷つけ、モンスターの首をひたすら所望する。その強さは、ボスが土下座し泣き叫ぶほどだ。しかも、個人の戦闘能力だけにとどまらない。テイムしたモンスター同士の一対一のバトルでも無類の強さを発揮する。召喚されたモンスターが文字通りすべてをなぎ倒していく様子は圧巻である。
ゲームや文化を取り込んでエンタメ要素満載の存在となったダンジョンの多様なギミックと、価値観を破壊するパワフルなアイドル像が魅力的。実況や掲示板のワイワイガヤガヤとした雰囲気を堪能したいならおすすめ。
（可愛さと強さを兼ね備えた魅力的な女性主人公４選／文＝nullpovendman）
聖女クロエは干物女であり、本の虫にして引きこもり。何かにつけて仕事をサボりたがる。それでも歌という才能のおかげで見放されずに大聖堂に所属し続けている。書物庫に住むほどにとにかく本が好きという性格のおかげで禁断の書を読んでしまった結果、聖女とは真逆の存在である闇の魔法に目覚めてしまった。闇の魔法は強力な効果を及ぼすものばかりで、中には大きなリスクを伴うものもあるが、魔法使いとしては最強である。
強い闇の力に目覚めたからといっても、大聖堂所属の聖女である以上、悠々自適な引きこもり生活を送れるとは限らない。闇の魔法に振り回されつつ、周囲との関係性を変化させていく中で、悪だくみしてもうまくいかないクロエの様子は、ちょっと抜けていて憎めない。果たしてクロエの安寧は守られるのか。強くなった聖女が活躍していくコミカルな日常を味わってみてほしい。
（可愛さと強さを兼ね備えた魅力的な女性主人公４選／文＝nullpovendman）
荒事とは無縁に愛されて生きてきたアイシャは、戦火によって故郷を追われて避難する途中で家族と離れ離れになり、迷子になった。非力でかわいい少女の未来には、恐ろしい運命が待っている――はずだった。武の才のなさとしぶとく生きる力を武神に見出されてしまったため、非力なまま武の極致をその身に与えられた。訪れるはずの孤独な未来はもう来ない。対象がなにであろうとずんばらり。木の棒で岩を切り、銃弾を鞘で止める剣豪はどこに向かうのか。
少女の主観はかわいらしい語り口で進むけれど、世界観は案外殺伐としている。
盗賊にも偉い人との謁見にも臆することなく、圧倒的な力を行使できるという点で、田舎から出てきた迷子娘という経歴が生きているのが面白い。世界最強の武神の力を得た少女が、力に頼らず技術のみで無双する爽快さがある。もしあなたが人生の迷子を脱したいと思っているなら読んでみてはいかがだろうか。
（可愛さと強さを兼ね備えた魅力的な女性主人公４選／文＝nullpovendman）
