11月29日よりカクヨムコンテスト10の応募がスタートしています。開催にあわせて、今回は前回の第9回カクヨムWeb小説コンテストで「大賞」を受賞した、計7作品のレビューをピックアップしてご紹介します。
これからの応募に備えて、レビューを参考にしながら気になる作品をぜひチェックしてみてください。
今年もたくさんのご参加、お待ちしております。
追放といえば、始まるのはスローライフ、チートスキル、ハーレムと相場が決まっているが、この物語はどれでもない。
信頼できる仲間との合流、そして故郷を守るための戦い。
「帰るべき場所」を持たない主人公が、それでも守るべき場所を守る、骨太な冒険譚だ。
主人公が背中を預けるに足ると信じる仲間は、誰もが一癖ある冒険者ばかり。そんな仲間との掛け合いも頼もしい。
実力がありながら、自己肯定にとぼしい主人公は、どうしても背中を押したくなる。
彼らの行く先には、まだ困難が多かれど、たくましく進む未来を楽しみに、応援したくなる。
こんなにも面白い作品に出会うことは早々ない。当作はダンジョンに挑むというよくある設定ながら、現代日本に設定することで卓越したリアリティを誇る。
そして主人公のイケオジっぷりが最高である。全てのおじさんに、全てのおじさん予備軍に、熱くオススメしたい。
優れた視覚描写により、既に映像は私の瞼の裏に映っている。
主演は、西島秀俊だ。
高貴な血筋でありながら平民として育ったヒロイン、アナスタシアさんの気取らない姿がとっても魅力的な作品です。
全話読んだ感想ですが、語りたいことが多すぎて纏まらない!!
が素直な感想です、面白いんです、素敵なんです。
雑草魂を宿したアナスタシアさんの活躍。
サポートしてくれる使用人の皆さん。
そして、始まりは最悪だった『旦那様』の変化。
どこを推して良いか悩む…からこの際、全部推します。
展開もテンポが良くて、いわゆる敵役も本当にヤバい奴から、どこか共感してしまう人物までいて、誰に感情移入するかで楽しみ方が変わるのも素敵なところだと思います。
エンディングを迎えた後の番外編も、ほんわかしたり、ある人の今後が垣間見えたりと、
短編としても成立するクオリティなので、絶対に読んで欲しいです。
(まぁ…読む手が止まらなくなるので絶対読むことになるとは思いますが…!)
スッキリしたい方も、きゅんとしたい方も、オススメの作品です。
是非ご一読を!!
とにかくヒロインが無敵すぎる。
もうどっちが主人公やらわからないくらい…。
そして世界のため人類のためなどそっちのけで自身の望みのためだけに本来の攻略キャラ達を、不埒者を、宗教組織を、国家さえ、邪魔なら全て軒並み叩き潰しながら突き進む、本当に爽快です。
星にえらばれた救国の聖女。
二年間の巡礼を終えた聖女は例外なく感情を喪失してしまいます。
そのおおきな代償に対して与えられるのは、継承権二位以下の王族、あるいはその縁者に嫁ぐという栄誉でした。
しかし、今代の聖女リネッタがえらんだのは、その瞳の色から、野蛮で穢れた血が流れているといわれる黒騎士で……?
物語は、黒騎士のクウィルが王家から婚約の打診をされるところからはじまります。
クウィルは不誠実極まりない理由でこれを引き受けるのですが、リネッタへの態度はわりと誠実。
初対面時には出迎えもせず、自宅には寄りつかないし、手紙の返事は三行、贈り物のひとつもしないけど、うん。大事なところではね、ちゃんと誠実です。ほんとうです。信じて!
聖女はなぜ感情を失うのか。
とても痛くて重いテーマですが、この作者さんならではの言葉えらびのセンスとリズミカルな筆致がどんどん読ませてくれます。
リネッタとクウィルをとりまくサブキャラたちもとても魅力的。彼らの平和なわちゃわちゃをずっと見ていたいです。
恋愛もちゃんとあるのですが、それだけではない。心の深いところにしみてくる物語です。ぜひおためしあれ。
このタイプのホラーとても好きです。
面白かった。読んで、前に出てきたページに戻って読んでと、とても楽しめました。
大丈夫です。気付きさえしなければいいんですから。
無実の罪で宇宙追放刑に処せられていたカイト。
誰にも干渉されない孤独な囚人生活をそこそこ楽しんではいたものの、その悠々自適な日々は突如「地球の滅亡」という形で終わりを迎えてしまう……
さて、もしあなたがカイトだったらこの後どうしますか?
地球に戻って滅亡の理由を探る?
あるいは何もせず寿命が尽きるのを待つ?
それとも……どうせなら地球とは遠く離れた宇宙の探索に出てみる?
三番目を選んだあなたは実に本作の主人公と相性が良いことでしょう。
一番目、二番目を選んだとしても、読み進めているうちにきっと三番目を選ぶ主人公に共感し、彼に惹かれていくに違いありません。
広大な宇宙でカイトが巡り合う、さまざまな種族の知性体たち。
地球人の想像をはるかに超えた壮大な宇宙社会。
ザ・スペースオペラながらも、簡易で読みやすい文体の本作は今後も多くの人々に愛されること間違いなし。
さ、難しいことは考えずに、気楽な宇宙の旅へ身を任せてみませんか?