諸君、女子高生は好きかー! 男子が出てこない登場人物が女の子だけのアニメや漫画が人気です。女子高生グループもの、略してJKG。海外ではCGDCT(Cute Girls Doing Cute Things,可愛い女の子が可愛いことをする)とか言ったりします。最近ではスポーツを題材にした熱い作品も多く、単なる萌えアニメじゃなくなっています。もう女子高生だけいればいいんじゃないかな。そんな気持ちで今回は女子スポーツものと、ゆるふわ日常系のJKG作品でまとめてみました。自分も美少女女子高生になってキラキラした青春を送りたかった……。読者の皆様がそんな思いに苛まれていただけたら幸いに思います。

ピックアップ

縦走のススメ。仲間と目指す山岳部のインターハイ

  • ★★★ Excellent!!!

和歌山県神倉高校山岳部の絵里、みつき、優華、あきらの女子4人組が、登山のチーム戦「縦走競技」で全国大会を目指す。

ゲームオタクで自堕落な絵里が一念発起し、毎日重い荷物を背負って登下校したり、学校行事や休みの日まで特訓をこなしたり、生まれて初めて本気で努力する姿に応援したくなる。

絵里だけでなく他のメンバーも登山の知識を蓄えたり、キャンプ料理を研究したり、登山計画書を作ったり、チームで力を合わせてひとつの目標に向かう光景に青春っていいなと素直に思いました。

ユネスコの世界遺産に登録された熊野古道を始め、千穂ヶ峰、釈迦ガ岳、金剛山・大和葛城山と古来より修験道にゆかりのある名山を巡るトレイルランに歴史への思いを馳せる。

仲間とともに大自然で食べるキャンプ飯の美味しさ、疲れた身体に染み渡る温泉の心地よさ、真夜中に地面に寝っ転がって見る星空の美しさ。すべてが山でしか得られない宝物のような体験だ。

読めば絵里のように山頂で「やったぜべいびー!」と叫びたくなること間違いなし。

(「女子高生だけいればいい」特集/文=愛咲優詩)

明日は何が釣れるかな。釣りガール女子高生の放課後

  • ★★★ Excellent!!!

釣りガールの由紀に料理好きなゆん。放課後、海辺で糸を垂れる女子高生の釣り日誌。

海釣りをこよなく愛する二人だけど釣りの腕前はまだまだ未熟。

空が真っ暗になるまで粘っても釣れたり、釣れなかったり。

たまたま運よく大物がヒットしても糸を切られて悔しさに歯噛みする、そんな毎日だ。

なかなか上手くいかないからこそ、釣れたときの感動もひとしお。調理した魚を写真にとってLINEで送るとか、イマドキの女子高生っぽい。

新しい仕掛けを試したくて、夜も眠れず、授業中もそわそわ、はやる気持ちを抑えられない少女たちの姿が微笑ましい。

舞台はおそらく明石海峡。目当てはメバル、たまにカサゴ。イカやタコにも挑戦したいのだが、道具を揃えるにはお小遣いがきびしい。

トランペットを欲しがる少年のように釣具屋に飾られたロッドやリールを眺める姿もいじらしい。釣り用のワームや餌木(エギ)選びに夢中になる女子高生って可愛くないですか?

ゆるふわ日常系4コマ漫画のようなイメージが頭の中でふわっと湧きあがる作品です。

(「女子高生だけいればいい」特集/文=愛咲優詩)

そこに水が満たされたとき、ガラスの箱は魔法の庭に変わる

  • ★★★ Excellent!!!

一人暮らしをきっかけに熱帯魚を飼いたい小清水由那と、ひょんなことからアクアリウムの師匠となった巳堂琴音の友情物語。

人付き合いがあまり得意ではない琴音と、人懐っこい由那のアクアリウムを介した交流が萌えます。

普段はクールな琴音だけれど、アクアリウム初心者の由那を見かねて水槽のセットアップの手伝いから、フィルターのろ過の仕組み、砂の敷き方に水草の管理まで懇切丁寧にレクチャーしてくれて、意外とお節介焼きでこだわりを持っているギャップが魅力です。

小さな魚でも実は凶暴だったり、ストレスを与えない環境作りが必要だったり、生き物を飼う難しさを知って、うっかり者の由那に責任感や使命感が芽生えてきたり、お互いにまったく違う性格なのによい影響を与えっている姿が心温まる。

ひょうきんな顔のパロットファイヤー、コブ付きのフラワーホーン、熱帯魚の王様ディスカス、その他にも色合いも縞模様も姿形も多彩な熱帯魚から、自分だけのマイフェイバリットを探していく展開が楽しい。

それぞれ個性も豊かでキラキラと綺麗な熱帯魚の世界、まさに琴音や由那たち女子高生のよう。

由那がどんなアクアリウムを完成させるのか、期待が高まります。

(「女子高生だけいればいい」特集/文=愛咲優詩)

そして彼女たちは風になる。弱小駅伝部が新風を巻き起こす。

  • ★★★ Excellent!!!

中学時代、長距離で県内1位に輝きながら家庭の事情で陸上から遠ざかっていた澤野聖香が、全国高校駅伝を目指して再スタートする。

同学年のライバルに出遅れた彼女だが、「マラソンは365日24時間すべてが特訓に繋がる」という顧問の言葉を信じて仲間と練習に励む姿が熱い!

創設まもない桂水高校女子駅伝部は、たった5人の弱小校。しかし聖香を含めて隠れた才能を持つ選手が集まっていて、大会のダークホースとして強豪校相手に真っ向勝負を挑む姿が痛快なのだ。

駅伝では設備の整った競技場のトラックと違って起伏や環境の変化がある。周囲の選手を観察しながら自分のペースを考え、どのタイミングで勝負を仕掛けるかを狙う。身体が悲鳴を上げ、呼吸が苦しいなかで繰り広げられる駆け引きは、まさに息が詰まりそうだ。

自分の使命を果たして仲間へとタスキを繋ぐ達成感。自分を限界まで出しきった充足感。それらすべてが混ざりあった喜びや感動がここにある。

みなさんも彼女たちの走りを追いかけてみてはいかがだろうか。

(「女子高生だけいればいい」特集/文=愛咲優詩)