概要
金打を鳴らした。
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- ★★★ Excellent!!!さよなら人斬り。おかえり以蔵。
幕末の闇を駆け抜けた、人斬り以蔵。
彼の振るう剣は冷酷でありながら、その心はあまりに無垢で、哀しいほどに真っ直ぐでした。
その手は血に汚れながらも、星を見上げる少年のままの瞳を感じさせる筆致に、胸が締め付けられます。
本作は、歴史の教科書では語られない「溜息」や「心の叫び」を拾い上げ、鮮やかに描き出しています。
第二話は、かの竜馬と鍋を囲むお話です。
血なまぐさい世の中に、ふっと灯る幼馴染の温かさ。
二人の談笑が胸に沁みました。
四つの掌編が重なったとき、一振りの刀として散った男の、侍としての体温が伝わってきます。
岡田以蔵という存在を、単なる凶器ではなく「血の通った人間」として描き出し…続きを読む - ★★★ Excellent!!!手と音で語られる、岡田以蔵の物語
本作『金打』は、幕末という血なまぐさい時代を舞台にしながら、人が何を選び、どこで立ち止まり、何を守ろうとしたのか——
その問いを、岡田以蔵という一人の侍を通して描いた短編です。
タイトルにもなっている「金打(きんちょう)」は、最初は何気ない所作として描かれますが、物語が進むにつれて意味が更新されていき、その変化に気づいたときにハッとさせられました。
この物語で、特に印象的なのが「手」というモチーフの扱いです。
触れる、拒まれる、温度を確かめられる——そうした体験を通して、以蔵という人物が自分自身をどう見ているのか、そして他者からどう見られているのかが、言葉に頼らずに浮かび上がってきます。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「···折れたのではない。 斬られたのだ···」 人斬り以蔵の4部作!
SFチャンバラバトル大得意の宮本賢治さんが、剣豪小説で新機軸を開拓されました。
主人公は、幕末の最強剣士「人斬り以蔵」こと、岡田以蔵。
物語は、カクコンのお題に沿って、各話、坂本龍馬、勝海舟、沖田総司など、著明人と関わりながら展開されます。宮本さんらしくメシテロもチラッと出て来ます。
どのお話でも、以蔵が渋くてカッコよい。不器用で、人生にまごつきつつも、自分の納得いく道を追い求める姿勢には、感銘を受けました。
今後、この路線を広げて行って、宮本さんの長編の剣豪小説も見てみたいな、と思わせる作品でした。
歴史小説や剣豪小説のお好きな方には、とてもお勧めの一作です。