概要
時間が溶かしていく――温度も、痛みも。
右手に白い手袋をした二人は、中学の入学式で出会った。
皮膚湿疹を隠すために触れられない桜都と、理由を語らず手袋を外さない氷魚。
同じように見えるその手は、まったく違う事情を抱えていた。
季節ともに距離は離れ、やがて再会したとき、桜都は彼の手の温度を知る。
触れなかったのは、拒絶ではなかった。
静かな優しさが残した、ひとつの恋のかたち。
皮膚湿疹を隠すために触れられない桜都と、理由を語らず手袋を外さない氷魚。
同じように見えるその手は、まったく違う事情を抱えていた。
季節ともに距離は離れ、やがて再会したとき、桜都は彼の手の温度を知る。
触れなかったのは、拒絶ではなかった。
静かな優しさが残した、ひとつの恋のかたち。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心にその手が触れてくる。
舞台は中学。
日本の学校は同質を求められ、異質は排除されることが多いです。
暗い。太っている。痩せている。
人とは違うことが、まるで悪であるように。
そこには子ども特有の残酷な目があります。
この作品は、そんな息苦しさを、派手な事件ではなく、肌の感覚や視線の痛みとして丁寧に描いていて、読んでいる私はあの頃をつい思い出して目を瞑りたくなりました。
右手の手袋。
それは「隠すため」のものでもあり、「守るため」のものでもあり、そして時に「距離を作るため」のものでもある。
同じものを身につけていても、同じ意味になるとは限らない――その静かな残酷さと優しさが、物語の芯にありました。
季節の…続きを読む