作品全体にホラー特有の空気が漂っており、物語の始めから終わりまでこの物語の世界に実際にいるのではないかと思ってしまいました。 また、難解なホラーではなく考えれば自力で解答を導くことが出来、その解答にたどり着いたときがとても気持ちの良い最も短編らしい短編のホラーです。
怖さの本質を敢えて断定せず、比喩の表現でじわじわと怖くさせるこの描きっぷりは、青蛸さんの良さだと思っています。今作はそれが如何なく発揮された作品だと感じました。最後は背筋が凍えるほどでした…お見事です。恐ろしかったです。
続きがめちゃくちゃ気になる展開で、どうなるの!?となりました。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(328文字)
淡々と進む事故物件への入居。怪異らしい怪異はほとんど描かれないにも関わらず、会話の端々に違和感が積み重なっていきます。大家の語る死因と、隣人の語る死因。そのわずかな食い違いが、最後の一行で決定的な恐怖へと変わる構成が良かったです!何が真実なのか、誰が嘘をついているのか、あるいは“何が棲んでいるのか”──答えは示されない。だからこそ読後も思考が止まらず、余韻が長く残ります。静かで、冷たく、非常に完成度の高い短編ホラーでした。
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