概要
音楽は、自由に楽しむものだよ。——あなたはいつもそう微笑んでくれる。
約三ヶ月前、自宅のベランダから飛び降りた中学一年の男子、梶山優希。
ピアニストへの道を母から強く嘱望され、幼い頃からの母の苛烈なピアノの指導に耐えきれなくなった末の選択だった。
医師も首を傾げるほどの奇跡的な軽傷で、彼は一命を取り留めた。
母の元を離れ、母方の祖母・額賀正子の家で暮らすことになった優希。母の実家でもある正子の家は鄙びた海の街にあった。
新しい環境の中、優希の心は少しずつ息を吹き返していく。
音楽は、自由に楽しむものだよ。——あなたは、いつもそう微笑んでくれる。
※本作のみでもお楽しみいただけるよう執筆しておりますが、本作に至るまでの優希の日々を描いた短編『Dear Frederic』を先にお読みただきますと、より深くお楽しみいただけます。
ピアニストへの道を母から強く嘱望され、幼い頃からの母の苛烈なピアノの指導に耐えきれなくなった末の選択だった。
医師も首を傾げるほどの奇跡的な軽傷で、彼は一命を取り留めた。
母の元を離れ、母方の祖母・額賀正子の家で暮らすことになった優希。母の実家でもある正子の家は鄙びた海の街にあった。
新しい環境の中、優希の心は少しずつ息を吹き返していく。
音楽は、自由に楽しむものだよ。——あなたは、いつもそう微笑んでくれる。
※本作のみでもお楽しみいただけるよう執筆しておりますが、本作に至るまでの優希の日々を描いた短編『Dear Frederic』を先にお読みただきますと、より深くお楽しみいただけます。
応援してくださる皆様、心より感謝いたします!
皆様からの応援をエネルギー源に、頑張ってまいります!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心から敬愛する人に向かって、傷ついた鳥がふたたび羽ばたく
幼い心で挫折を味わうのはどれほど残酷なことでしょうか。本作はまだ中学一年の少年が人生を揺るがすような挫折を経験したあとから始まります。
ピアニストとしてもう一度心から敬愛する人に近づきたい。その思いは彼をもう一度鍵盤の前に座らせる勇気をくれます。
楽譜に込められた言葉にならない感情。それを自分の指を通して音にすることは、作曲家の人生を自分の体で生き直すことなのかもしれません。そしてそれには本当の理解者の耳が必要であることも忘れてはなりません。
傷ついた鳥がふたたび羽ばたくような希望を感じる一作です。ぜひ主人公を一緒に見守ってください。 - ★★★ Excellent!!!「聴いて、フレデリック」——本文より。
主人公の少年は母親の苛烈なピアノ指導に疲れていた。コンクールの予選を突破しても、怒鳴り散らされるような日々。練習中もそれは続いていた。そんな主人公を支えていたのは、友人のフレデリックだった。
母親から解放された主人公は祖母に預けられることになり、そこでフレデリックと再会する。そして距離を置いていたピアノを祖母の家で見つけ、弾いた。この時から再び音楽の世界で呼吸をすることができるようになった主人公は、ピアノを再び練習し、ある夢を見る。この夢をきっかけに、主人公はまた人前でピアノを弾くことになる。ただ、祖母とフレデリックに聴いてほしかった。
白と黒の鍵盤を、滑らかに走る様が、まぶたの裏…続きを読む