このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(149文字)
お弁当の色やブドウの種といった、あまりにも、あまりにも他愛ない会話。この「無意味」な言葉の積み重ねが、張り詰めた静寂のなかに、震えるような命の輪郭を浮かび上がらせます。一体どこからが、彼らの幸せな夢なのでしょうか。愛する者の声に抱かれる、残酷で、奇跡のような優しさ。五感を澄ませて、この静けさに身を委ねてみてください。
始まりは他愛無い夫婦の会話が展開される。退屈で面白味のないつまらないことだと語り合うが、そこからだんだんと夫婦のおかれている世界が浮き彫りになっていき・・・。 何気ない導入から解き明かされる世界のあり方に驚愕する秀逸なSFもの!ぜひご一読ください
最初は、どこにでもありそうな夫婦の会話から始まる本作。読み進めるうちに、その日常の裏にある極限状態が、少しずつ浮かび上がってきます。交わされるのは相変わらずどうでもいい会話ばかりなのに、その軽さが、世界の終わりをいっそう重く感じさせました。玄関の向こうから聞こえる“声”が、恐怖ではなく救いとして響くラストが忘れられません。静かに心を冷やす、余韻の強い一編でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(120文字)
二人の夫婦のたわいない会話。 しかし、徐々に明かされる状況と、そして押し寄せるしずかな衝撃。 すごいものを読ませていただきました!
昔読んだ、荒廃した未来の短編、もしくはトラウマアニメを思い出しました。静かな滅びが迫ってくる恐怖、秀逸な短編です。ラストも切なく、哀しいです。 こういう話を読んだ後は、平凡な日常に感謝できます。
日常の些細な会話が、いつの間にか取り返しのつかない場所へ連れて行く。本作はその移行があまりにも自然で、気づいた時にはもう引き返せなくなっています。夫婦の軽口、食べ物の話、どうでもいい雑談。笑ってしまうほどくだらないやり取りの積み重ねが、逆に「普通であること」の尊さを浮き彫りにしていく――読み終えたあと、きっと身の回りの「当たり前」が少し違って見えるはずです。何も知らずに、ぜひ最後まで読んでほしい一作。
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