二人の夫婦のたわいない会話。 しかし、徐々に明かされる状況と、そして押し寄せるしずかな衝撃。 すごいものを読ませていただきました!
昔読んだ、荒廃した未来の短編、もしくはトラウマアニメを思い出しました。静かな滅びが迫ってくる恐怖、秀逸な短編です。ラストも切なく、哀しいです。 こういう話を読んだ後は、平凡な日常に感謝できます。
日常の些細な会話が、いつの間にか取り返しのつかない場所へ連れて行く。本作はその移行があまりにも自然で、気づいた時にはもう引き返せなくなっています。夫婦の軽口、食べ物の話、どうでもいい雑談。笑ってしまうほどくだらないやり取りの積み重ねが、逆に「普通であること」の尊さを浮き彫りにしていく――読み終えたあと、きっと身の回りの「当たり前」が少し違って見えるはずです。何も知らずに、ぜひ最後まで読んでほしい一作。