概要
どいつもこいつも、一度死ね!
山田コウジは、容姿へのコンプレックスと人生へのフラストレーションでいっぱいだった。ある日彼は、何でも出来る武器を手に入れる。これがあれば、自分を馬鹿にする奴、邪魔な者を消すことが出来る・・・。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!居場所を持たない者の歪みと強み
舞台は1984年の昭和の日本。
社会的に軽視された立場の山田は、ある殺人事件を目撃し、現場で手にした一本のナイフをきっかけに、「自分が強くなった」という錯覚に取り憑かれていくーー。
そんな冒頭からどんどん物語に引き込まれていきました。
作中に描かれる妬みなどの負の感情が強く描かれ、混沌とした時代と重なることで、リアリティが加速する印象を受けました。
孤独や劣等感が鋭い筆致で浮かび上がる中、山田という人物への関心がどんどん強まっていく。
胸の内に抱える狂気の描き方が緻密で本当にお見事。
特に惹かれたのは、クラシック音楽と暴力描写の対比で、演出が物語に独特の不気味さを漂わせます。
本…続きを読む - ★★★ Excellent!!!静かに迫る『狂気』が癖になる!
昭和の空気が濃厚に漂う世界観と、人間の劣等感や孤独がじわじわ積み重なっていく描写に、一気に引き込まれました。
山田という人物は決して派手ではないのに、その内側に渦巻く感情がとても生々しく、「この先どうなってしまうのか」と怖さと興味が止まりません。
読み進めるほど、ただの猟奇作品ではなく、『居場所を持てなかった人間』の苦しさや歪みが見えてくるのも印象的でした。
また、昭和の街並みや職場の空気感、音楽の使い方が非常に巧みで、まるで一本の映画や刑事ドラマを観ているような没入感があります。
登場人物たちも一筋縄ではいかず、誰が被害者で誰が加害者なのか、その境界が少しずつ揺らいでいく構成がとても…続きを読む