概要
※※※電撃小説大賞様の応募用あらすじは、下に別記しております※※※
人間には寿命がある。
けれど、死を悲しむ必要は無い。
何故なら死は、人間を从間(じゅうげん)に生まれ変わらせるキッカケに過ぎないから。
从間(じゅうげん)とは、人間としての記憶や性格を全て受け継いだ、デジタルな存在。故に寿命は無い。
从間は楽だ。
風邪もひかない、見た目や性格だって簡単に整形することが出来る。人間関係の嫌な記憶も削除すれば良い。
己自身や、己の境遇に不満を抱く若者は、進んで自らの肉体を捨てて、从間になろうとする。
「あー、整形したい。死んで从間になりたい」
「それな。学校の勉強もダルいし、从間になるのは全然あり」
「じゃあ、今度一緒に死のうよ」
社会は成熟していた。個人の
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心が宝石になる恋は、痛いほど美しい。
『心の錬金術師』は、設定の時点でもう惹かれる作品です。
人が死んだあと、記憶や性格を受け継いだデジタル存在――从間(じゅうげん)として生き続けるのが当たり前になった社会。そんな世界で、「それでも人間として死にたい」と強く思ってしまう少年ソラが主人公なんです。ここだけでも、ただの近未来SFやなくて、「生きるって何なんやろ」「死が終わりじゃなくなったら、命の重さはどう変わるんやろ」って、読者の胸の奥を静かに揺らしてくるんよね。
でも、この作品のほんまにすごいところは、重たい思想だけで読ませるんやなくて、そこにちゃんとひとりの少年の不器用な恋と憧れ が流れてるところやと思います。
都会で出会った…続きを読む - ★★★ Excellent!!!いろいろ便利になったのに、やっぱりその一言が言えなくて。
本作の世界は、私たちが生きる現代より技術が進んでいる。肉体を捨ててデータの中を生きる从間になれば、実質的に死を超越できる。感情を高価な石に変える「心の錬金術」なんてものも存在する。いろんなことが簡単に実現できる、進歩した世界だ。
なのに"彼"は、恋心を抱いた人に「好き」と言えず悶々とする。とても簡単なことのはずなのに、できない。
便利になった世の中でも、告白の重さは変わらない。なんだか無情。だけど、もがく"彼"の姿に何よりも人間らしさを感じ、心が動かされる……。
「しばらく涙を流していないな」「人間らしい感情ってなんなんだろうな」と感じている方、おすすめです。 - ★★★ Excellent!!!一人の少年の 命を懸けた思春期の軌跡
純粋だからこそ不器用で、危なっかしい主人公の姿が、愛おしくてたまらなくなりました。
ラストは澄み渡るような光と沈黙が美しい作品です。
是非とも、たくさんの方に読んでいただきたいと思いました。
まず世界観がユニークです。
個人の自由が尊重され、死を自分で決められる世界。
肉体が死んでも、从間(じゅうげん)というデジタルな存在になれば、末永く生き続けることができる。病気の心配も無いし、整形も性格も記憶も自由に変えられて悩みが一瞬で解決できる。なんて安易で理想的な世界でしょうか。
そんな世の中に、馴染めず疑問を持ち爆発しそうな心を持て余した主人公、ソラ少年は、残り半年の命にな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!从間、それは永遠の命⁈
向夏夜さんが本気出すとこんな素敵なSFファンタジーに仕上がるのだ!それをまざまざと見せつけられ、圧倒された作品だった。
まず从間(じゅうげん)という見慣れない言葉に惹きつけられた。これは向夏夜さんの造語で、人間が死後、記憶と性格をデータ化して永遠に生きられるようにデザインされたデジタルな存在のこと。
見かけも性格も自由に変えられるから若くして自死し、从間として生きることを選んだ友達のミナト。それに反発を持ち、自身の生命と引き換えに、大金を得て半年という短い人生を謳歌することを選んだ主人公のソラ。ここに二人の死生観の違いが明確に表れている。
社会に反抗心を持ち、諦観を抱えたソラが、人の記…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この世で生きる意味。人生に満足するには何が必要か。そして彼らの選択は?
死生観、というものと真っ向から向き合った作品でした。
主人公のソラが生きる世界では、「死」というものが完全に権利として認められている。
世の中の人々は肉体を捨て「从間(じゅうげん)」というデータ上での生を送ることを選択していた。
ソラはそんな生き方には否定的な見解を示し、「自分の残りの寿命」を売ることによって大金を得るという選択をする。
そうして余命が決定された後、ソラはある一人の女性と出会う。
シネンという名前の彼女は「心の錬金術」なるものを使い、人の心の中にある『記憶』や『感情』を宝石の形で取り出すことが出来るのがわかる。
そんな彼女の存在に心を惹かれ、ソラは心の錬金…続きを読む - ★★★ Excellent!!!感情が宝石になる世界で、一番輝いていたもの
読んでいて、ずっと心のどこかがチクチクする作品だなと思いました。
「命を売る」って設定だけでも重いのに、ソラ君が淡々としてる分、逆にリアルで怖いんですよね。でも不思議と、シネンさんとの日常がすごく温かくて、「この時間、ずっと続いてほしい」って思ってしまう。
特に、感情が宝石になる世界なのに、一番価値があるのが“何でもない日常”に見えるのが印象的で…。これって結局、人間って何に価値を感じて生きてるのかって話なんだなって。
読むほどに優しいのに苦しくなる、そんな物語でした。気づいたらきっと、あなたもソラ君の時間を見守ってると思います。