从間、それは永遠の命⁈
- ★★★ Excellent!!!
向夏夜さんが本気出すとこんな素敵なSFファンタジーに仕上がるのだ!それをまざまざと見せつけられ、圧倒された作品だった。
まず从間(じゅうげん)という見慣れない言葉に惹きつけられた。これは向夏夜さんの造語で、人間が死後、記憶と性格をデータ化して永遠に生きられるようにデザインされたデジタルな存在のこと。
見かけも性格も自由に変えられるから若くして自死し、从間として生きることを選んだ友達のミナト。それに反発を持ち、自身の生命と引き換えに、大金を得て半年という短い人生を謳歌することを選んだ主人公のソラ。ここに二人の死生観の違いが明確に表れている。
社会に反抗心を持ち、諦観を抱えたソラが、人の記憶や感情を抜き取って宝石にする“心の錬金術師”シネンと出逢い、ソラとシネンの物語がそこから始まる。
斬新で独創的な設定に加え、取り分け際立ったシネンのキャラの魅力、年頃の男の子であるソラの人間ぽい悩みなど、心の機微を鮮やかな筆致で細かく描いた、向夏夜さん渾身の大作です。
モフモフ魔王の作者と同じ人が書いたとは思えない(笑)、最高傑作。自信を持っておススメできます!