【緊急提言】AI時代の創作――考えられる理想のケースと、最悪のケース
瀬谷酔鶉@男♂️だけどガールズバンドやる
現状から導かれる未来予想図と、提言
ここ数日、「AI生成小説」がカクヨムランキングを賑わせています。
なんでも人気のキーワードを使用した「小説」をスパム的に大量投稿することで実現したらしく、テクノロジーの進歩に感心するとともに、人気のキーワードを含む長文タイトルなら内容は「そこそこ」でも運次第でランキング入りできてしまうという、カクヨムの評価システムの弱さが露呈した気もしますね。
私自身は、調べ物にAIを使うことはありますが、内容に関しては一切AIは使いません。
頭に浮かんだ物語が自然に文章になっていくので、ある意味、脳内自動生成です(笑)。
AIが介在する余地がない。
とはいえ、小説執筆にAIを使用すること自体が、一概に「悪」だとも思いません。
あくまで現時点での私見でしかありませんが、アイデアをかたちにするために、そうしたツールの助けを借りることも一つの方法なのではないかと思います。
例えば、AIにテーマを与えプロット化してもらい、それを自分で文章化する。
あるいは、自分が考えたプロットをAIに執筆してもらい、自分で推敲する。
自分が書いた文章をAIに推敲してもらう。
そのようにして作者が自らの意志や個性を表現しているのであれば、それも一つの創作活動とは言えるかもしれません。
しかし今回の問題は、一度に大量の作品を投稿したことにあります。
生成者(あえて作者とは呼びません)が執筆していない・プロットを作っていないのはもちろん、読んで確認することすらしていないのではないかと、疑われても仕方ないような投稿方法です。
最大限に好意的に推測すれば、一つひとつ丁寧に作り込んでストックしておいたものを一気に放出したのかもしれませんが、そのようなことをする必然性もないように思います。
仮にそうだったとしても、AIを使えば、読んで確認もしていないものを大量に投稿することが可能だと明らかになってしまった。
件の生成者がどうであろうと、今後必ずそのような生成者も現れてくるでしょう。
そのような状況は、イラスト投稿サイトではすでに発生していたことです。
pixivも対策をしたという話ですし、おそらくカクヨム運営もなんらかの対策をしてくるのではないかと思いますが、どこまで実効性があるのかは分かりません。
同一アカウントからの大量投稿を禁止すれば一定の効果はありそうですが、生成者自体が増えれば結局AI生成作品は増えますし、内容確認すらなされていないような粗製乱造が行われるというのは、やはりイラストサイトが通ってきた道です。
特にWEB小説の場合、いわゆる「テンプレ」や人気のキーワードをフィーチャーした作品は、AI生成作品と区別が付きにくい可能性もありますし、実際にそれがランクインしている。
読者がそうしたものを望んでいるのであればむしろ、それが最適解とすら言えるかもしれません。
はたして小説投稿サイトは、これからどうなっていくのでしょうか?
予知能力者でもタイムリーパーでもない私に正確なことが予言できるはずもありませんので、ここでは最大限に楽観的な予測と、悲観的な予測を立ててみます。
楽観的に考えれば、これはむしろWEB小説の多様性にとって好機となるかもしれません。
テンプレ的な作品が粗製乱造された結果、読者がそうした作品にうんざりし、もっと尖った個性的な作品を求め始める可能性はあります。
正直、今は「いわゆるテンプレ作品ってそんなにテンプレなの?」という疑問もなくはないですが、AIが似たようなプロンプトで生成を行うことで今以上にテンプレ化が進むことは考えられます。
その結果テンプレへの忌避が始まるというのは、希望的ではありますが、あり得ないとも言い切れない予測です。カクヨム側が評価システムを見直す可能性もありますし、これはあくまで、最も楽観的な予想ということでご容赦ください。
私は読者として、似たりよったりの作品ではなく、それぞれの個性を持った書き手の方の、その個性が爆発しているような作品を読みたい。
その意味で、AIによる粗製乱造が逆に個性や人間性の重視につながる可能性には期待しています。
とはいえ、これはあくまで理想論です。
それでは、最悪の場合はどうなるでしょうか?
それはやはり、人間の敗北でしょう。
テンプレ化したプロンプトをもとに、AIが似たような作品を大量に生成し、ランキングがそれに独占される。人間がどれだけ魂を込めて書いても読まれない。
読者がAIによるテンプレ化を望んだ場合、そうなる可能性も否定できません。
その場合、カクヨムに限らず他の投稿サイトにも希望はありません。
AI全面禁止のサイトがあったとしても、読者自身が人間の書いた小説よりAIのテンプレ小説を求めているわけですから、人間の投稿する小説サイトなど見向きもされなくなるでしょう。
それはあまりに虚しいと思いませんか?
私は小説を読むとき、作者がどんな方なのか必ず想像します。
どんな人生を生きてきて、どんなことに苦しんで、どうやって乗り越えたのか。
どんな理想や欲望を持っているのか。
物語やその登場人物というのは、そうした作者の経験や個性が反映されたものだと思います。
だから物語には希望がある。
苦しみの中から何かを掴み取った人がいる。
自分と同じ理想を持っている人がいる。
あるいは、どうしようもない欲望を抱えつつもなんとか生きている人がいる。
そう感じるからこそ私は物語に救われてきたし、読んだ人が救われるような物語を描きたいと思っている。
もしかしたらこんなことを考えて読むのは少数派かもしれないですし、読者の方が望んでいるのは現実とかけ離れた都合のいい幻想だけなのかもしれない。
それでも私は背後に作者の存在が感じられる作品を読みたいし、自分が作品に込めた想いが読者にも伝わると信じている。
だから、書きましょう!
人間の力で、人間の個性で。
自分の人生から掴み取ったものを、その苦しみを、その喜びを!
自分だけの、自分にしか書けない物語を紡いでいきましょう!
その先にしか未来はない。
楽観論でも悲観論でも、個性のない小説はAIに淘汰される。
個性があっても淘汰される可能性はありますが、まだ生き残る可能性がある。
だったら、個性を出すしかないじゃないですか。
我々書き手にできることはそれだけです。
そうやって未来に希望を繋いでいきましょう!
そして、こんな創作論を読んでいるのはほぼ書き手だけだとは思いますが、書かないけれど読むのは好きという方がいましたら。
もし、人間が書いたものに希望を感じてくれるのであれば。
ぜひ、AIよりも我々人間を応援してください。
なんと言っても、我々は魂を込めて書いてますからね!
以上です。
【緊急提言】AI時代の創作――考えられる理想のケースと、最悪のケース 瀬谷酔鶉@男♂️だけどガールズバンドやる @suijun
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