たどり着いた果て。手にしたその真実に涙する



────〝私〟は、この街が嫌いでした。
祀られた蜍迦羅様の像が不快でした。
設えられた祠を厭わしく思っていました。


忘れていた。
そんな自覚さえもなかった友人を少女が思い出したとき、物語は動き出します。

騙し絵のように拵えられた物語の構図は、ある一点を超えると、以前とはまったく別の絵面を見せてくれます。

読む者を翻弄するミステリーの要素を持つ恐怖の物語。

迷い惑うことさえ怖さに加味される。
そんな迷図を、ご堪能ください。

その他のおすすめレビュー

木山喬鳥さんの他のおすすめレビュー681