エピローグ

あの日吹いた風は 境内の鈴を

今も静かに鳴らしている

その音は 希望なのかもしれない


祈るように書いた言葉が 

誰かの心を救うことがある

それを教えてくれたのは 祥子さんと亜未さん

そして町の人だった


だから僕は

「本当に欲しい言葉を届ける」ことが

自分の役割だと思えるようになった


僕は今「杜の町」の高齢者施設で働きながら

『交神者』としての務めも続けている

畑では今年もトウモロコシがすくすく育ち

命を耕すことの大切さを教えてくれる


いよいよ僕も 音信不通の父さんに 

手紙を書いてみようと思う 

今だから 

伝えたい言葉がある


あの時父さんは 

本当はどう思っていたの?


聞いてみたい

触れてみたい 

父さんの想いがある


じいちゃんが詫びていたと知ったら

どう想うだろう

今さらって想うだろうか?

それとも

わだかまりが消えてゆくだろうか?



「ゼロ番地のポスト」は 

静かに 脈々と 継承されている


会えなくなった誰かに

どうしても届けたい言葉がある

会えなくなった誰かから

どうしても届けて欲しい言葉がある



僕は人と人の想いを

魂を込めてつないでいく......













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ゼロ番地のポスト 松下友香  @mokasanhamamatsu

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