鈍い金色の光における映像、文書記録

映像記録 20__/5/_5 23:52:55~

音声記録は破損済

映像記録のみ

記録開始

00:00:00

その部屋は四方が木材の壁によって囲まれた8畳程の広さである。窓はなく、白熱電球の光だけが灯っている為それ程鮮明ではない。

中央部には机があり、その上には黒い紐状の物体が蠢いている。それを20代中盤程の女性が狼狽しながら見つめている。

00:00:05

黒い紐状の物体は、5秒間鈍く金色に明滅する。その後、紐状の物体は動かなくなる。女性は怯えるようにその様子を伺う。

00:00:12

白熱電球が明滅。女性が驚いたような仕草を見せる。

00:00:14

不明なノイズ

00:00:15

あからさまに女性が動揺した様子を見せ始める。自身の両目を押さえながら苦しんでいるように見える。

00:00:30

女性が、唯一の出入り口となっている扉に手を掛ける。しかし、開く様子はない。その後、叫ぶように扉を叩くも依然として反応は無い。

00:00:45

女性はその場に座り込む。目の前のなにかを振り払うようにしながら必死に顔を隠している。

00:01:03

動かなくなった紐状の物体に向かい歩き出す。その後、その物体に対して拳を振り上げ殴りかかる。およそ5分間に渡り、殴り続けるもやがてその場にまた座り込む。

00:06:07

女性が自分の眼球を抉るような所作を見せ始める。しかし、その試みは上手く行かない。

00:06:20

部屋の扉が開き、3名の女性が入ってくる。先の女性は、叫び声をあげ自分の目に指を突っ込んでいる。それを後から入ってきた女性らは止めている。

00:06:54

女性は他の3人に完全に押さえられる。それでもまだ暴れ、なにかを叫んでいる。

00:07:00

よりいっそう、女性は暴れる。他の3人を振りほどき、自分の目に指を入れる。

00:07:05

日付が変わる。

3人のうち、中年の女性が何かを言う。目に指を入れていた女性は、膝から崩れ落ちそのまま地面に項垂れる。対照的に3人には安堵の表情が見てとれる。

00:07:12

項垂れた女性が腹部を押さえながら嗚咽している。表情から泣いていることがわかる。3人は部屋を後にする。その後、女性は嘔吐を繰り返しながら泣き続ける。

映像記録はその後0時32分45秒まで続いた。映像が途切れるときまで、女性は泣き崩れていた。その間、2度程金色の光と不明なノイズが記録されている。

この映像記録の出所は不明であり、また日時に関するデータも曖昧である。

わかっていることとして、現在これが鈍い金色の光に関する初出の映像記録である。