脈々と受け継がれる古唄が、本能的な故郷へ誘ってくれる

文明崩壊後SFが好きです。神話や伝承も大好物です。そんな私にうってつけの物語でした。
失われかけたフォークロアが、再び花開く瞬間に立ち会えたような気持ちです。現実世界の伝統も、きっとこうして危なっかしくも力強く今まで継承されたのだろうと、しみじみ感じ入りました。
語り口が小難しいわけでもライトすぎるわけでもなく、世界観がよく現れています。ジウとニューランのやりとりがいいアクセントになって、するりと読むことができました。
人々の優しさや内に秘めた想いが、物語が進むにつれて一つになっていく様は圧巻です。

ラストも世界の広がりと、人類への希望に満ち溢れていました。素晴らしい作品をありがとうございます!

その他のおすすめレビュー

三津名ぱかさんの他のおすすめレビュー20