タフでワイルドで拝金主義、現代勇者が悪人にならないための功利的懲悪物語

正義も栄光もこの物語に出番は無い。
登場するのは日々をどうにか生き延びるための小銭を稼ぎ、酒とカードゲームを愛するごろつき勇者と強大な力のために人間性を捨てた魔王、そして厄介事のパレードで先頭を切る見習い勇者達。

どこ見てもマトモな奴がいない。
当たり前だ。

なんせ勇者なんて魔王を僭称する人間を殺すだけの仕事だ。
そんなものをやってる奴にマトモな人間はいない。

だがマトモじゃない彼らにはマトモしゃない魅力がある。
ニヒルでスパイスの効いたやり取り、そして確かな現実味をもつ強敵との戦闘シーンは、登場人物達を確固たる個性を持つ一人の人間として幻視させる。

暴力と超自然的な力をもたらすE3に狂った東京で紡がれる死神ヤシロの勇者譚。
ニヤリと不敵に笑うに最適な最低限の善意をあなたも是非。

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