もしも走れメロスのメロスが太宰治の『走れメロス』を読んだら

えらいものを読んでしまった。
まずタイトルが良い。
とち狂ったとしか思えない状況がタイトルで示されているばかりか、パロディにパロディを重ねるようなスタイルが如実に現れた秀逸なタイトルだ。
そして、内容のほうもそれに引き劣らない妙ちくりんなものだ。
『走れメロス』の世界（と言っていいのか？）に『走れメロス』が存在するというメタフィクショナルな作品世界からしてたいがいおかしいのに、作中人物の『走れメロス』のテクストの読解がズレているもんだから、このおかしさが加速していく。
さらには現代らしきものが混ざり込むわ、メタっぽい登場人物が現れるわで作品世界との境界がぐちゃぐちゃになるという具合でもうめち…続きを読む

初期の筒井康隆を読んでいるかのような錯覚を覚えた。

あまりにナンセンスでバカバカしいのだけれど、
巧みなギャグセンスで最後まで引き込まれてしまいました・・これは反則です、いい意味で(笑

太宰治によって生み出され、現代では「メロスは別に走っていなかった」「めろすとせりぬんゎ。。。ズッ友だょ。。。。」「メロスが攻めでセリヌンティウスが受けのBL」などなどネタが尽きない文学作品、『走れメロス』。
それを一度バッキバキに粉砕して溶かして、パロネタやメタネタをぶち込んで冷やし固めたような、ものすごい不思議な魅力を感じる作品です。

とりあえずメロスが読んだのが『走れメロス』でよかったよね。『人間失格』とか読んでたらどうなってたんだろうね。

しかし非常にツボではあった。

わけがわからないよ！
この作品にはものすごい狂気が含まれます
紙一重と言うべきでしょう
つまり、作者は天才かバカのどちらかです。