大半の人には非現実だけど、確かにある現実。それが自衛隊の世界。

非現実の擬似体験こそがエンタメの神髄だと思う。
その点、本作品は非常にリアルで(実際に現実だし)、描写が細かい。知っていそうで知らない業界用語も溢れていて、少しも飽きない。
でも、自衛隊員の日常なんだよな。

日常生活を語っているので、ホンワカした雰囲気の作品です。そこはかとなくサラリーマン社会の悲哀と同じ臭いが漂うんですよね。居酒屋談義を聞いているようで、心が温かくなります。

とは言え、東日本大震災の時、多数の国籍不明機が飛んで来てた事を初めて知る。自衛隊が災害救助と国防の両睨みで対応してた事も初めて知りました。作者を始め、自衛隊の方々には頭が下がる。彼らのお陰で我々が平穏な日常を送れている事を再認識するでしょう。

面白いので、フォローを外さずにおきます。

自衛隊には文才の有る人材が多いのか、カクヨムでもチラホラ見かけます。私の読んだ中では、かいしげる氏を御紹介します。現役じゃなく、OBみたい。
特異な職業に就かれた方の作品には面白いものが多く、長期航海の船に賄い婦として乗り込んだ方の作品も面白かったです。確か「船乗りの嫁」と言うタイトルでしたが、改めて検索すると既に脱会した模様。
カクヨム界では一期一会を大事にせねばなりませんね。

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