絶望的な戦力差を覆すため、90年の眠りから目覚めた王は剣をとる

 宿敵との戦いを終え、眠りについた王が目覚めたとき、90年の歳月が流れていました。かつては精強だった自国は見る影もなく、数年先に戦が予見されているというのに平和ボケしている始末。
 兵力は1/10まで落ち込み、信頼してくれる者すらわずか数名。国内にも王を疎む者が多い。そんな状況のなかで、圧倒的な力を持つ敵国に備えなければいけない。

 控えめに言っても詰んでいる状況です。そんな絶望的な状況を覆すため、王は奔走します。しかし、そう簡単にことが運ぶわけもなく……。
 つねにギリギリの綱渡りをし続ける王(主人公)から目が離せない、そんな作品です。著者はカタルシスのなんたるかを理解しているように思われるので、おそらく主人公は勝利するでしょう。しかし、それはどうやって? 何が起こりそうなるのか? 

 私にはこの状況から主人公が逆転する未来が見えません。だからこそ、どのような物語が展開されるのか期待に胸が高鳴ります。強大な力を持つ“不滅王”と、その配下たる7人の不老の将に挑む、“スリーピング・マジェスティ”。彼は、どのような逆転劇を私たちに見せてくれるのでしょうか。それが楽しみでなりません。
 

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