笑えるのに切ない物語、至高のSF短編

SF系短編集は、カクヨムではよく見かけるが、本作はトップクラスの面白さ。展開の圧倒的スピード感、コミカルでありながら切実で考えさせらるストーリー、独特の魅力を持つ世界観とそれを表現する文章、全てが完成されている。
星新一のショートショートをガルシア・マルケスのマジックリアリズムで表現したとも言うべき怪作が揃っている。

どの話も完成度が高いが、ギャグ要素と終わりゆく世界が感じさせる強烈な読後感を絶妙なバランスで併せ持つ「メカ妹」、奇妙でありながら切ない青春の恋を描いた「シュレーディンガーのチョコ」は特に傑作だった。

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