卓越した頭脳で犯罪を繰り返し、警察を欺き、そして監獄に入れられてもなお余裕を崩さない大犯罪者・大廻ハヤテ。
しかし、同時にその存在は、警察にとって有効な手駒ともなりうるもの。
解決困難な犯罪への捜査協力を望むべく、彼が囚われている場へと足を運んだ刑事は、やがて……。
恐らくこの小説に目を通した人なら、誰でもこの「深淵」に引きずり込まれてしまう素質を持つでしょう。
今や麻薬組織の稼ぎをも奪うほどにまで世界中に広まったこの「闇」、例えどれだけ心が強かろうと、一度でも隙を見せてしまうと……。
恐ろしいようでつい納得してしまう、まさに深い深い底で読者を待ち構えているような作品です。