そして、少年は『魔王』となった。圧倒的な力をもつ、『魔王』に。

母親を『魔女』とされて殺された少年は、それでも近隣の人たちに受け入れられながら普通の学生として暮らしていた。
しかし、ある日。
その平穏な暮らしは全て壊される。

それは軍部の中に広がる先走った恐れからの行動だったが、その恐れがさらなる圧倒的な恐怖を生み出してしまう。
彼は、『覚醒』したのだ。
圧倒的な力で軍部を蹂躙していく、少年。

この日から、全てを敵に回した少年の戦いが始まった。


第1章を読んでの感想です。
全部読んでからとも思ったのですが、とても自分好みのお話だったので、じっくり読みたいと思ってとりあえずこの時点でのレビューを投げてしまいました。

ジャスティスと魔王の戦いについ目がいってしまいますが、その背後にある非常によく練り込まれた世界感や、敵味方ともに決して記号的でも薄っぺらくもない、自分自身の意志や信念で行動しているとわかる人物像が幾重にも重厚に物語を彩っています。

その中で描かれるのは、人間のサガか、それとも人間性の美しさなのか。いや、そのどちらもなのかもしれない。

『魔王』の孤独な戦いが、今後どう展開していくのか非常に楽しみです。

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