私ならば角を鬼のように曲がりまくる

 とコピーを書いて気づいたが、タイトルの主人公の方がとてもアクティブだ。角を曲がったところで、パンをくわえたうら若き女性とぶつかるならば、私は意中の人と出会うまで、延々と曲がり続ける。だが、僕「が」というアクティブな主人公であることを忘れてはいけない。

 なぜに同じ「恋愛」をモチーフにしながら私の作品とこうも違うのか。

 この作品の作者は卑怯である。ご夫婦と二人三脚での恋愛物語とは、妄想だけを頼りに恋愛を書いている私のような存在からすれば卑怯以外のなにものでもない。うらやましい。私も恋がしたい。

 男性のツボを抑えたストーリーは、思春期の急所を突いてくる某進研ゼミのマンガにも似た魅力を放っている。

 一本の線はどのように発展するかわからない。この物語のはじまりは一本の線、究極のシンプルな運命なのである。
 運命はその姿・形を決められることを嫌う。この運命の結末は、読むことでしか知りえない。

 

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