その猫はなにゆえ王様たりえるのか

古今東西、猫を主題にした話はどういうわけかそこにある。
いつの間にか隣にいる猫のように、なぜか描かれずにはいられないらしい。
中には宇宙に進出する猫もいて、この猫の王様もそんな猫の一匹だ。

王様の姿と、なにゆえ船に乗りこむことになったか、そしてその行動原理が丁寧に描写されている。それゆえ、我々臣下は恐れ多くも王様がなにゆえ王様たりえるのかを知ることができるのだ。
王様は働かないが、義理堅く、誇り高い。そして自分の職務に忠実だ。

大航海時代よりもずっと以前から船に乗りこんでいたという猫。
古い昔話を踏襲しながら、宇宙という海を舞台に描かれる新しい物語。

安心しておすすめできる一作。

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