私はこれからずっとカレーを食べるたびに涙するかも知れない

私は、作者様の別の作品『彼女の愛は惑星より重い』を読んで「この人は恋愛小説を書くのが上手いなぁ!」と感動していたのですが、今作を読んでさらにその思いを強くしました。

まさしく、恋愛小説の名手・坂神慶蔵ここにあり、です。
この小説の主人公はヒロイン・理乃のカレーに完全降伏しましたが、私は坂神さんの紡ぎだす上質なラブ・ストーリーに完全降伏してしまいました。

なかなかインパクトのある小説のタイトルと「主人公はヒロインの11番目の恋人」というビックリ仰天な紹介文だけを読むと、「これは純愛ものじゃなくて変化球を狙ったラブコメかな?」と最初は思ってしまうかも知れませんが、いざ読んでみると味わい深く、読了した後も強い余韻を残す恋愛小説の名作でした。
美味しいカレーをむさぼり食べるかのように、一気に読んでしまいました。「おかわり!」と言いたいぐらいです。

あまり小説の内容を語るとネタバレになってしまうので詳しくは書けないのですが、私はこれから先ずっと美味しいカレーを食べるたびにこの小説のことを思い出してしまって涙したい気持ちになってしまうことでしょう。一緒に食べている人に「どうしたの?」と聞かれたら、タマネギのせいにするしかありません。
主人公とヒロインの未来に幸福とカレーあれ……。


最後に……
全国のカレー愛好者たちよ!
感動のラストシーンまで一気に読み、そして泣くべし!!!
この小説を読んで泣かない者は、カレー好きではない!!!

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