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概要
人でなくなる前に斬る。それが彼の役目だった。
春を忘れたように雪が降り続く山村。
雪深い山の麓で、一人の少女が昼は人、夜は蜘蛛妖へと変じる異変が起きていた。
退魔士・久世宗景は討伐を依頼されるが、すぐに刀を抜こうとはしない。
「まず、自分の目で見てくる」
少女・小夜は、本当にもう人ではないのか。
幼なじみの十兵衛とともに雪山へ向かった宗景は、人と妖の狭間で苦しむ彼女と出会う。
まだ救えるかもしれない――。
そう願った矢先、人々の恐怖は少女から最後の居場所を奪っていく。
これは妖怪退治の物語ではない。
救えなかった者を知る男が、再び人でなくなろうとする少女を見届ける、雪の和風幻想譚。
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