概要
中世のヨーロッパで使われていた、素敵なデザインのシンボル。
現在でも車のエンブレムや企業・大学といった色々な場所でみかけることができると思います。
そんな紋章を小説にも使ってみたいな、と調べてみたら……なんと紋章学というものがあったんです!
獅子や鷲、十字……中世世界には多種多様な紋章が存在します。
王家の権威や地位・身分を表すためだったり、職業を示すものだったり。
そこには世界の歴史が深く関係しています。
そして、歴史を作っているのはそこに生きた人々でした。
これは、とんでもなく深くて複雑な紋章の世界を、歴史の小径に寄り道しながらあなたと一緒に歩んでいくレポート・エッセイです。
(※『創作にまつわるエトセトラ』の16話目以降の『中世雑学エトセトラ』で
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!象徴が紡ぐ物語を愛しています。
最近、紋章学について考えることがあります。
中世の紋章は、単なる装飾ではなく、自分が何者なのかを示す象徴でした。
まだ現代的な哲学が生まれる以前の時代に、人々は色や形、動物や図柄に自分たちの理想や欲望、信念を込めていた。
後の時代に語られる「超人」という思想とは時代も背景も違いますが、人間が自分自身を超えた存在を象徴によって作り出そうとする点には、どこか共通するものを感じます。
また、身体や本能、意志について考えた哲学者たちの視点から見ると、紋章とは単なる絵ではなく、人間が自分自身を表現するための「身体化された思想」なのかもしれません。
こうした象徴の力は、現代のロゴやチームカラー、キャラク…続きを読む - ★★★ Excellent!!!紋章とは紋章ばかりで成り立つものにあらず!
紋章。中世ヨーロッパの名家や団体が掲げるシンボルには「それでなければならなかった」理由が秘められている! その理由についてを七條太緒が時代性や歴史的背景を踏まえて紐解き、解説していく。
紋章といえば王や貴族、騎士団やギルドといったファンタジー作品の背景世界を構築するのに欠かせない要素ですよね。
本作はその創作世界のネタ元である中世ヨーロッパで作られた有名な紋章を取り上げ、紋として描かれたモチーフについてや、それが選ばれた理由についての解説となりますが――おもしろいのはその時代に起きた出来事や常識的知識を捕捉し、紋章だけではない、世界観そのものを深掘りしている点なのです。
実際、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!宗教と王権を紋章からたどる、奥深いヨーロッパ文化史
この作品は、紋章という身近でありながら奥深い題材を入口に、中世ヨーロッパの歴史や宗教、政治、民衆文化まで幅広く掘り下げていくエッセイです。
特に印象に残ったのは、フランス王家の象徴として知られるフルール・ド・リスが、本当に百合を表しているのかを検証するエピソードです。アイリスや黄菖蒲、槍先、蜜蜂など複数の説を紹介しながら、古代神話や王家の伝承へと話題を広げていくため、一つの図柄に重ねられた長い歴史が自然と見えてきます。
もう一つ興味深かったのが、戴冠式や聖別、ロイヤルタッチといった儀礼を通じて、王が神に選ばれた特別な存在として演出されていたという解説です。紋章の美しさだけでなく、それが王…続きを読む