紋章とは紋章ばかりで成り立つものにあらず!
- ★★★ Excellent!!!
紋章。中世ヨーロッパの名家や団体が掲げるシンボルには「それでなければならなかった」理由が秘められている! その理由についてを七條太緒が時代性や歴史的背景を踏まえて紐解き、解説していく。
紋章といえば王や貴族、騎士団やギルドといったファンタジー作品の背景世界を構築するのに欠かせない要素ですよね。
本作はその創作世界のネタ元である中世ヨーロッパで作られた有名な紋章を取り上げ、紋として描かれたモチーフについてや、それが選ばれた理由についての解説となりますが――おもしろいのはその時代に起きた出来事や常識的知識を捕捉し、紋章だけではない、世界観そのものを深掘りしている点なのです。
実際、知らない内はかっこよさやら単純なデザインで語りたくなりがちですが、意味や謂われを知ることで紋章を深く理解でき、さらにその理解が中世を通してファンタジー世界の有り様というものを鮮明に表す。これはまさしくファンタジー好きの方にとって最高の資料と言えましょう。
紋章を通して西欧史の智慧をも得られる指南書です。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=髙橋剛)