純文学としての基本をなぞりつつ、執念とも、諦念ともとれる主人公の発言により、瞬く間に世界観に引き込まれていった。普段身近に接していても、わざわざ気にすることのないような点まで言語化するその姿勢は、そのまま主人公の危うさを表しており、実に読み応えのある作品だった。ドロドロとしつつも、暗闇に一筋刺す光を感じるような作品を読みたい。そんな人にお勧めできる一作である。
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