》》》航時煩悶-†ravel †rouble《《《

加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】

永・諦・時・止

 

   ≡≡≡≡粦巜せせらぎてしない≡≡≡≡



 粦巜せせらぎはさむは——


   葡萄ぶどうふさ等粒状とうりゅうじょう組織そしき

   荒波あらなみまれしのぎけずったすえ

   まるくなったいしたちの堆積たいせき

   いし同士どうし狭間はざま

   やみひかり



 西にしには——


   漸近ぜんきん-ritardando-する水平線すいへいせん日輪ひのわ

   四象限ししょうげん十字じゅうじきらめきを連星こづれする斜陽しゃよう

   いまにも水面みなもまんとする

   遠光とおみつ

   明鏡止水かがみ乱反射らんはんしゃしている



 ひがしには——


   雄大ゆうだいなカキごおり

   碧白あおじろ高峰やま

   青紫せいしくうつらぬ

   糖蜜シラップ

   いただきからよだれている



 上流うえから下流したへ——


   位置いちエネルギー

ひがしやま

   角張かくばった玉石混交ジェムストンまるめつつ

               西にしうみはこ

このいしは

 そのいしは

  あのいしは

   いつ

    どこで

     だれが

      なぜ

       どのように

        うんだのか?



 ちかくで、二人ふたりおとこ談笑だんしょうがあるようだが、周波数ヘルツことなる——早瀬はやせかわごえ——と混信こんしんしている所為せいで、その内容本質コンテンツしかるのはむつかしい。

 



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過去かこけるなんて、いいなぁ、きみは」

 

 現在いましばられたおとこが、航時能力者タイムトラベラーおとこかって、そうった。

 ニヤリみと上目遣うわめづかいの羨望せんぼう


「…………へぇ、そんなにうらやましいかい?」


 数秒やや遅延ラグともなって返事へんじする航時能力者タイムトラベラーおとこ姿勢しせいは、鼻高々はなたかだかとも、胸張むねはりとも、ほこらしげとも、形容けいようがたい。なな四五度よんじゅうごど虚空こくうおよがせるは、うつむきの裏返うらがえし。肉体的にくたいてきわかさに不適切ふつりあいかお筋肉きんにく強張こわばりは、なにかに辟易へきえきしている人間にんげんのそれであった。


「もちろんさ! ぼくは、人生じんせい後悔こうかいだらけさ。いや過去かこばあーっかり」


いや過去かこを、より過去かこにできたら、うれしいのかい?」


「そりゃあそうさ。たりまえだろう?」


「——はあ。きみは、わかってないなあ」


「はあ? なんだって?」


「なあに、過去かこえにくことができるっていうのも、いいことばかりじゃあないさ」


なにいたい? どうしてなのさ?」


わない過去かこ発生はっせいしたら、その過去かこをより事実じじつに、えにきたくなる。いや、きたい願望がんぼう、というよりかは、もはや義務感ぎむかん。なぜそんなふうにとらえてしまうか。つまりはこうだ。えずに放置ほうちするのは、サボった、看過かんかした、怠惰たいだぬふりをした、のとおなじようなことになる。それって、かなり心苦こころぐるしいことだとは、おもわないかい? げんぼくは、そんなこと、ばっかりだ」


「それにもうひとつ……」


「なんだ? まだ説教せっきょうれるのか?」


「まあまあ、いてそんはないさ。うえでとっても大事だいじかんがかたを、おしえてあげるよ」


「そうですか。ご教示きょうじねがいますよ、とき旅人たびびとさん」


「うむ。つまりはこういうことさ。どんなにいやおもも、きみ歴史れきしいちページなのにはわりない。そのいや過去かこあっての、いまきみ、なんじゃあないか」


「ほお。一理いちりある、かも」


「『かも』、なんてものじゃないさ。そうだ、高校こうこうときぼくきみとで、この河原かわらなぐいの喧嘩けんかをしたのをおぼえてるよね?」


ぜんきみ拳骨げんこつ上振アッパーいたあといまでものこってる。ほら、ここの眉間みけんのところ」


 そうって現在いましばられたおとこは、第三だいさんひらきそうな場所ばしょを、人差ひとさゆびでコンコンといた。


「ああ、その一発いっぱつかんしては、わるかったとおもってる。じつうと、なんだけど——」


 航時能力者タイムトラベラーおとこは、ふたた虚空こくうしゃかまえる。今度こんどのそれは、心地良い懐古ノスタルジア航時能力者タイムトラベラーおとこは、とはちがっておの意識いしきのみを過去へ遡上トリップさせて、言葉ことばつづけた。


「あの喧嘩けんかを、かったことにしようと、過去改変航時れきしかいざんったことがあるんだ」


「へえー、そうか。でもこのまゆまゆあいだには、いまこの瞬間しゅんかんしっかりと傷痕きずあとがある。ってことは…………りやめた? あるいは、また喧嘩けんか路線ルート再修正さいしゅうせいしたとか?」


一度いちど大喧嘩おおげんかしないみちあゆんだ。でもわなかったから、再修正さいしゅうせいした」


「なんだよそれ。へんなやつだな」


「あの喧嘩けんかがなかったら、いまいま、こうして河原かわらでくっちゃべってなんかいないんだよなあ……」




   二人ふたり視線しせんは、平行へいこうつ、はし——はし繋属けいぞく

   つまりは一本線いっぽんせんとなった。




「あっはっはっは! なるほど、完全かんぜん理解りかいした。そういうことか」


「うむ。だからほら、らくも、過去かこあっての、いま自分じぶん、だろう?」


たしかに、それもそうだな。航時能力者タイムトラベラーきみうのなら、間違まちがいないだろう」




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   ∞∞∞∞磷酸リンさん螺旋らせんにはけっしてあらがえない∞∞∞∞


 巜粦巜河口かこう巜粦巜には右脳ヨーニ水流すいりゅう蛇行だこう波動はどう振幅しんぷく左脳リンガんだ航時こうじ能力のうりょくは、強制きょうせい嚥下えんげ喉仏のどぼとけ林檎りんごの>>粦>>原罪げんざい巜粦巜におなじ。汽水きすいは、淡水かわのみず海水うみのみずせいなる交叉こうさ幾億いくおく微粒子びりゅうし遊泳ゆうえい水銀みずがね満月まんげつ芽挿めざす。あゝ、>>粦>>美玲みれい>>粦>>……


 蟻地獄ありじごく

 排水溝はいすいこう

 渦潮うずしお

 漆黒穴ブラックホール

 砂時計すなどけい


 螺旋らせん行先ゆくさきは、何処いずこ—————————・・・・・・ • • • 卍


   (かん

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