誰彼
二ノ前はじめ@ninomaehajime
誰彼
直立した影に思えた。
部活帰りの家路は夕暮れの色に染まっていて、影が濃い。少し人気のない路地を通ると、小さな神社がある。注連縄の下に鈴緒が垂れ、賽銭箱が置かれているだけの寂れた
その
少し足を止めていると、夕日を
影の少女がこちらに駆け寄ってくる。背が低く、十にも満たない年齢に思えた。間近で見ても、目鼻立ちさえわからない。ただその
「ありがとう」
声は目の前ではなく、すぐ真下から聞こえた。
目を落とす。足元の地面には何かがいた。それは少女と同じ
絶えず渦巻く顔を斜めに裂いて、大小の歯を覗かせた口が笑っていた。
誰彼 二ノ前はじめ@ninomaehajime @ninomaehajime
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