語られない真相を桜の花が物語る

愛犬の死を悼み樹木葬として庭の桜の樹の下に埋めた幼い頃の祖父。

その後、桜は毎年見事な花を咲かせるようになります。
満開の花をみた隣人が、祖父へ話しかける事から物語は動き出します。

遠い日の思い出を語る祖父の話。
その物語を聞く主人公も、以前に隣家で起きた事件の真相に思い至ります。

音なく賑やかに綻ぶ桜の花は、本作を読む者へも鮮やかな印象を残す事でしょう。

静かで、綺麗で、怖い話です。
どうぞ、御一読くださいますように。

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