夢見鳥は愛を乞われる

義母と異母姉たちに虐げられていた孤独な少女が、お家再興の道具として悪名高い異国人武官に嫁ぎ、自身の持つ秘められた力に気づくが、生まれながらの宿命と向き合わなければならなくなる。



霊力をもつ華族の名家・｜蛺翹路《きょうぎょうじ》家に生まれながら、能無しの千歳は継母と異母姉たちに虐げられていた。座敷牢に閉じこめられた千歳には自分にしかみえない”四季色の蝶”だけが唯一の友達だった。
かつては栄華を極めた蛺翹路だったが、今や没落寸前。お家再興のため、千歳は悪名高い異国人武官アモル・カラスに嫁がされることになる。
異国文化に囲まれながら、アモルや彼の部下、使用人たちと接していくうちに、千歳は自分自身をとり戻していく。
やがて明らかになっていく千歳に秘められた力。
千歳は自身の生まれながらの宿命と向き合わなければならなくなる。