概要
どこからイメージが迷いこんで来たのか、書き手も少し困惑している作品。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!海は立ち上がり、少女を睥睨した。だからそれを越えなければならなかった。
残滓となった村を離れる少女の物語です。
おそらく生きることを象徴する行動。
それが海を登り、越えること。
主人公の行いは神話の越境の類型なのかもしれません。
その視点の表すことは内的な幻視か外的な現象か判然としません。
しかし、曖昧さは物語を損ないません。
むしろ作品へ豊かな寓意性を加えています。
作中の様々なイメージは終始絡まり、意味を補完し、読む者の空想を広げ続けます。
私には、本作は命を移す物語のように感じられました。
選択できるとしたら、命をどこに移すか。
死の側に置くか生の側に置くか。
生と死の、あわいの際から人の心が動く、辛さのように感じられました。
読む側へ幾つもの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!圧倒的な想像力で描かれる、世界の残酷さと魂の物語!
海は、主人公以外の村人を連れて行ってしまい、そのまま静かにして動かない。
主人公は、不思議な影とともに舟を使って山のような海を登ろうとするのですが……。
「海が立ち上がってこちらを見ている。」
本作の始まりであるこの一行から、完全に心を鷲掴みにされました。
幻想的なイメージが織りなす物語ですが、描かれる内容はとても残酷なものです。
途方もない理不尽さに打ちのめされた時、それを乗り越えることは容易ではありません。
ですが、主人公の経験を通して、人の心、魂にとって何が大切なのか、教えられたように思います。
短編とは思えない傑作です!
是非ともお読み下さい!!! - ★★★ Excellent!!!波の幻想の彼方にある光。
海は、空の彼方にある宇宙の広がりと
同じぐらい未知の世界であると聞いた事が
ある。この地球上の約七割を占める
巨大な水は、安らぎや糧を齎すだけでなく
時には抗う事の出来ない脅威ともなる。
海は黙示して、只波の音のみ響かせて。
足元には瀕死の魚が口を開けて、乞う。
海の彼方へと投げてやるが、自らは一体
何を乞うというのだろうか。
影が、纏わりついて離れない。
大海原は根源的な恐怖を齎すが。もう既に
それも荒濤に洗われて奪い去られて行く。
作者の幻想的で不穏な寓話は、畏ろしくも
厳かな空虚に紛れ、圧倒的な感慨と映像を
呼び起こす。
海は、恐ろしくも優しい。
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