概要
美と武を抱き、大海へ旅立つーー誰も描かなかった東アジアの大航海時代!
時は十六世紀――東アジア。後世に忘れ去られた、歴史の隅々に存在したもう一つの“大航海時代”が、今、幕を開ける。
平戸出身の少年“阿月《あゆえ》”は、母に連れられ明国を訪れるが、動乱の中で母を失う。絶望の淵で彼を救ったのは、義に厚い一人の乞食、“阿海《あかい》”だった。二人は兄弟の誓いを立てるが、無力な彼らを時代の嵐が襲う。その二人を、圧倒的な力で救い出したのは、仙女のごとき絶世の美少女――厳慧《げんけい》。
だが、彼女は“悪女”だった。
厳慧は阿月を“朱月輪《しゅげつりん》”と名付け、弟子として育てる代わりに、彼に“女として生きる”ことを強いる。最高の芸妓《げいぎ》となるべく、厳しい修練の日々。朱月輪は、その中で類稀なる才芸を開花させながらも、師である厳慧を娶るという、歪んだ野望を胸
平戸出身の少年“阿月《あゆえ》”は、母に連れられ明国を訪れるが、動乱の中で母を失う。絶望の淵で彼を救ったのは、義に厚い一人の乞食、“阿海《あかい》”だった。二人は兄弟の誓いを立てるが、無力な彼らを時代の嵐が襲う。その二人を、圧倒的な力で救い出したのは、仙女のごとき絶世の美少女――厳慧《げんけい》。
だが、彼女は“悪女”だった。
厳慧は阿月を“朱月輪《しゅげつりん》”と名付け、弟子として育てる代わりに、彼に“女として生きる”ことを強いる。最高の芸妓《げいぎ》となるべく、厳しい修練の日々。朱月輪は、その中で類稀なる才芸を開花させながらも、師である厳慧を娶るという、歪んだ野望を胸