雨男と七夕の花嫁
土岐三郎頼芸(ときさぶろうよりのり)
全1話 雨男と七夕の花嫁
今年の七夕は朝から雨が降っていた。
「こりゃあ晴れの門出にゃならねべな。やっぱりワシが雨男のせいだべが」
「違いねぇ。結婚式だのに雨になったんは
だが、そう言う娘の
「「まあ、雨男だがら想定内だべな」」
そう言って笑い合う二人。
「そもそも、あの年の七夕、雨降っで困っでた
「んだな。出会いも雨なら、雨の
「だばって式さ出てくれる人に『当日は雨が予想されますので傘を忘れずにお持ちください』なんてメッセージとカラフルな傘の引き出物のギフトの前渡しって
「
「
景織子が件一郎をじっと見つめる。
「お見
大袈裟に驚くふりをする件一郎。
「
「参っだな」
そう言って件一郎は頭をかく。
「ほら、さっさと白状するへ!」
「…………折角の結婚式だべな。天国の
「
「顔のことは余計だじゃ!」
「だがら
「あーあーなに言ってるが聞こえねぇじゃ」
「もう!」
コンコンコン。ノックの音がした。
「はあい、どうぞ!」
仲人の白田夫妻が控室に入ってきた。
「みなさん花嫁さんをお待ちがねだぁ。そろそろ出番だがら行くべよ」
「白田さん、本日は仲人ありがとうございます」
「ええって、ええって」
皆で控室を出るとき、件一郎はもう一度雨空を見上げ目を細めた。
「
そうつぶやき、件一郎はそっと控室の扉を閉めた。
雨男と七夕の花嫁 土岐三郎頼芸(ときさぶろうよりのり) @TokiYorinori
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