夏下る足跡の詩

メランコリック

夏下る足跡の詩

夏の走りの雲の根に 赤い足跡伸びている

あれは阿呆の足跡だ 駆けて転んで血が滲み

祭りに遅れた強がりの どうしようもない下手くその 自我の写しの成れの果て


けれど 


更に救いのない馬鹿は そんな醜態晒しているのに 懲りず足跡辿っては

夏の兆しに立つ僕だ 

季節を一巡する程の 血の気も枯れて呻くのに わた雲一目見た時の 徒しあの字に恋をして 首も吊れずに立ち尽くす


死に損ないも生き損ないもした隻影 己の黒さ深まったことを命の厚さと読み違え 陽炎に狂い また焼き増しの足跡を遺した




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夏下る足跡の詩 メランコリック @suicide232

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ