爽やかな連作なのかなってこの爽やかな文体から思うのですが時々、鋭くドキリとするような言葉たちがひょいっと顔を出しますそれが何とも言えずこの作品たちをしなやかにまとめていますそれは、縄で縛るようなまとめではなくてしなやかにでも、確実にまとめています。
帰り道を題材にした短歌集。「帰り道」というタイトルは帰る先の家よりも、友との別れを指して付けられたもののようです。個人的に気に入ったのは、「灯火を 落とす蛍の 影法師 いつかまたねと 線香花火」ですね。蛍や線香花火という儚く束の間の光を放つ存在を通して、あっと今に過ぎてしまう友との時間を惜しむ気持ちが伝わってきます。きれいで、少し切ない気分させられる句でした。